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きょうのコラム「時鐘」 2009年9月25日
今月はじめ北朝鮮から韓国に流れる川で突然水位が上がり、6人が水死する事故があった。北朝鮮が下流の韓国に連絡もなく、ダムから放水したからだった
群馬の八ツ場(やんば)ダム問題でこの件を思い出した。現地視察の前原国交相に対して「下流の関係都県と何ら協議をせず一方的に中止を表明するのか」と、地元知事の怒りの声があったからである ダムは、建設地の人々の犠牲の上に下流域の人々が恩恵を受け、全体を潤す。上流か下流か、一方だけの視点で進める危うさは朝鮮半島の例を見るまでもない。無駄よりも怖いのが相互不信である 例えは悪いかもしれないが、北陸新幹線の建設工事でも「上流」の都合が下流域の環境を一変させる状況になっている。鉄道は河川に似ている。上流の工事が途切れれば下流の工事にかけた歳月と費用が無駄になりかねない 北信越の稲作地帯では、どの田にもうまく水が行き渡っている。この光景も一朝一夕に生まれたのではない。それぞれが「我田引水」を克服した跡である。信頼と共存共栄の努力が美しい日本の風景の土台にあることを思い出してほしい。 |