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【コラム】ジェントルマンの少ない韓国国会(下)

 米下院の場合、会議中に議員がほかの議員を呼ぶ際には必ず「○○州出身のジェントルマン(またはジェントルウーマン)という表現を用いる。儀礼的ではあるが、尊敬を込めた呼称のため、これらを使っている人同士、非紳士的な行動はしにくくなる。

 韓国の国会議員ももう少し紳士的に行動すれば、という意味で設けられた賞がある。制憲議員のほか第4-6代国会議員、国会副議長を務めた羅容均(ラ・ヨンギュン)氏の別名にちなんで制定された「白峰紳士賞」だ。1999年以降昨年まで、国会を取材する政治部の記者らの投票によって、受賞者が選ばれてきた。毎年1-4人選ばれ、これまで2度以上受賞した議員の中には、趙舜衡(チョ・スンヒョン)、孫鶴圭(ソン・ハッキュ)、金槿泰(キム・グンテ)、金富謙(キム・ブギョム)、丁世均(チョン・セギュン)、朴槿恵(パク・クンヘ)らがいる。リーダーシップ、紳士・淑女的な身なり、教養、議員生活、業績などが評価の基準だ。同賞の趣旨がもう少し議員らの間で広がれば韓国の国会も、紳士的で生産的なものとなるだろう。

 なお、同誌のランキング4位は英国議会、5位はオーストラリア議会だった。韓国の国会が選ばれたのは恥ずかしいことだが、英国やオーストラリアも入っているため、あまり恥じる必要はないと慰めてもよいだろうか。英国とオーストラリアは、議員が首相や長官に品位のない発言をすることが多い、というのがその理由だった。

 英国やオーストラリアは、暴力沙汰となる前出の3国とは異なり、「暴力的な言語」のせいでこの不名誉なリストに挙がった。米議会では物理的な暴力は想像すらできず、発言や場内のマナーが非常に強調される。米議会では、議長が発言する際は席を離れることもできない。韓国の現状からすると、(韓国がそうなるのは)遠い未来のことになりそうだ。

金昌基(キム・チャンギ)論説委員

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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