[CML 001419] Re: 「八ツ場ダム―新政権の力量を見せよ」 ― 朝日新聞社説の脆弱性について

higashimoto takashi taka.h77 at basil.ocn.ne.jp
2009年 9月 21日 (月) 10:32:57 JST


先に本MLに発信した標記メールに八ッ場あしたの会の渡辺洋子さんから川辺川MLを通じて
下記のような応信をいただきました。

渡辺さんの下記の応信には、八ッ場ダム問題について、最近マスメディアが国交省、また電力
会社からのリーク情報をそのまま、すなわち誤った形で報道し続けている問題、その誤情報を
誤情報として受けとめる市民の側の判断能力、批判能力が容易に形成され得難かった問題、
国交省発表の八ッ場ダムの費用便益比が3.4という数字の欺瞞性の問題などなど私たちが
知っておくべき、認識しておくべき重要な問題提起が含まれているように思います。

渡辺さんの応信は次のように結ばれます。

「長良川河口堰の運動で脱ダム運動の大きなうねりがあった後、しばしの中断の後、今、第
二波がやってきたようです。このうねりを本物にするためには、国交省の八ッ場ダム計画に
関する説明がおかしいことが明らかにされることが突破口になるような気がします」

この応信について、「転載、転送歓迎です。皆様のお力添えをお願いいたします」とあります
ので「皆様のお力添えを」期待すべく本MLにも転載させていただこうと思います。

ご一読いただければ幸いです。

………………………………………………………………………………
八ッ場あしたの会の渡辺です。
八ッ場ダムについての情報をありがとうございます。

東本さまのご論考につきましては、
嶋津さんがやんばオープンMLに転載投稿されました。

つい先日まで、八ッ場ダム問題は殆どマスコミに取り上げられることが
ありませんでしたが、このところ報道が過熱気味で、それはそれで
対応に苦慮しているところです。

今朝の朝日新聞オピニオン欄では、熊本県の蒲島知事が
「地域尊重の透明な議論を」と提案していますが、
少なくとも八ッ場ダムでは、ダム推進側が討論に応じたことは
今まで一度もありませんでした。
熊本県と首都圏の住民、国民のダム問題に関する認知度には大きな開きが
ありますが、これは議論を成り立たせなかったり、ダム問題が報道で
殆ど取り上げられてこなかったことにより、多くの人々にとって
ダム問題を学習する場が殆どなかったことによるものと思います。

東本さまがご紹介くださったホームページに、最近のマスコミ報道で
誤って流されている情報について、整理していますので、ご参考に
していただければ嬉しいです。
↓
http://yamba-net.org/modules/problem/index.php?content_id=22

また、上記のページには入っていませんが、今朝の朝日新聞二面の記事に、
八ッ場ダムの費用便益比が3.4という数字が取り上げられていました。

記事一部引用ー
-----------------------------------------------------------
前原国交相は17日の記者会見で、八ッ場、川辺川両ダム以外についても
「今後、事業仕分けをして一つ一つ精査していく」と述べた。必要性を判断する
指標の一つ「費用対効果」の数値を見ると、中止される八ッ場ダムの3.4に
対し、与布土ダムは1.8しかなく、得られる便益はさらに低い。数値が公表
されている国交省直轄45事業のうち、42事業が3.4を下回る。
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この記事を読んだ読者は、八ッ場ダムは
他のダムより効果が高いと思うでしょう。

八ッ場ダムの費用便益比は、2007年12月の事業評価では2.9だったのですが、 

それから1年ちょっとで、3.4に引き上げられました。
八ッ場あしたの会では、費用便益計算に多くの疑問があることから、
今年6月2日に国土交通省八ッ場ダム工事事務所に公開質問書を送りましたが、
回答は3ヶ月以上たった今も、まだありません。
↓
http://yamba-net.org/modules/news/index.php?page=article&storyid=601

費用便益計算の矛盾についての解説は、こちらにアップしています。↓

http://yamba-net.org/modules/news/index.php?page=article&storyid=567
「八ッ場ダムによる吾妻渓谷の景観改善(事業評価の問題点)」

http://yamba-net.org/modules/news/index.php?page=article&storyid=599
「八ッ場ダム事業の費用便益計算の問題点について(その2)

●洪水が襲うと利根川の各ブロックが同時に破堤し、首都圏に集積した財産が
一気に失われるという前提で、「便益」の数字を膨らませる、

●ダムができると失われる国の名勝・吾妻渓谷の景観には一切考慮せず、
ダムによる景観改善を費用便益に組み込む、

こんなおかしな計算を国が行っているとは、ダム問題を知らなければ
疑いもしないでしょう。

長良川河口堰の運動で脱ダム運動の大きなうねりがあった後、
しばしの中断の後、今、第二波がやってきたようです。
このうねりを本物にするためには、国交省の八ッ場ダム計画に関する説明が
おかしいことが明らかにされることが突破口になるような気がします。

上記の情報について、転載、転送歓迎です。
皆様のお力添えをお願いいたします。

---
渡辺洋子
八ッ場あしたの会
http://yamba-net.org/
………………………………………………………………………………


東本高志@大分
taka.h77 at basil.ocn.ne.jp



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