鳩山首相の国連総会演説要旨【ニューヨーク共同】鳩山由紀夫首相の国連総会一般討論での演説要旨は次の通り。 ▽友愛外交 日本国民は総選挙で政権交代を選択した。民主主義の勝利、国民の勝利だ。新政権はオールジャパンの陣容で内外の課題に取り組む。友愛精神に基づき東洋と西洋、先進国と途上国、多様な文明の間で「架け橋」となるよう全力を尽くす。 ▽経済危機対応 年間5・5兆円の子ども手当、ガソリン税暫定税率廃止を実施する。クリーンエネルギー事業など気候変動対策に伴う新たな市場創出などで安定的な成長力を確保。政権交代を通じた政策見直しにより日本経済は復活ののろしを上げる。 新しい日本はグローバリゼーションに適切に対処する必要がある。貿易・投資の自由化を進めるが、貧困と格差、過剰なマネーゲームを制御する国際協調も求められている。共通のルールづくりへ役割を果たす。 ▽温室効果ガス 日本は2020年までに1990年比25%削減を目指す。すべての主要国が参加した国際的枠組みの構築が、約束の「前提」だ。12月の気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)を成功させよう。 ▽核軍縮 米ロの核兵器削減交渉進展を歓迎。日本は核保有国と非核保有国の「架け橋」となって核軍縮の促進役になれる。 ▽北朝鮮問題 北朝鮮の核とミサイルは脅威。断固認められない。国際社会による国連安全保障理事会決議履行が重要だ。6カ国協議を通じた朝鮮半島非核化に努力する。 日朝平壌宣言に従い拉致、核、ミサイルなどの問題を包括的に解決するとともに、不幸な過去を清算し、国交正常化を図る。拉致問題では、北朝鮮が昨年の(日朝実務者)合意に基づき全面調査を始めるなど、前向きかつ誠意ある行動があれば前向きに対応する。 ▽アフガン支援 アフガニスタン復興を積極支援する。反政府勢力との和解は重要課題。和解に応じた人々への社会復帰支援を検討する。 ▽東アジア共同体 日本が歴史を乗り越えてアジア各国との「架け橋」となるよう望んでいる。自由貿易協定(FTA)などできる分野から協力を積み重ねる。 ▽国連改革 日本は安保理において、さまざまな国の「架け橋」としてより大きな役割を果たせる。常任、非常任理事国の議席拡大と日本の常任理事国入りを目指し、改革に向けた政府間交渉に取り組む。 【共同通信】
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