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決まらぬ構図、民主大勝の余波続く/川崎市長選まで1カ月
任期満了に伴う川崎市長選(10月25日投開票)まで、およそ1カ月。総選挙後の大型首長選として注目されるが、候補者はいまだ出そろっていない。総選挙の大勝で勢いに乗る民主党、その民主にあやかろうと動いた現職、現職の「変節」に不快感をあらわにする自民党…。公明党も含め、構図そのものが流動的なためだ。民主大勝の余波は沈静化するのか-。
出馬を予定しているのは、いずれも無所属で、連合神奈川が推薦し3選を目指す現職の阿部孝夫市長(66)、政治団体役員の岡本一氏(64)=共産党推薦=、福田紀彦元県議(37)=民主党推薦=の3氏。
◆おわび行脚
「支援してくださってきた自民党、公明党の方々に義理を欠き、申し訳ない気持ち。謝りたい」
17日の定例会見で、阿部氏は、民主党の単独推薦を希望したことについて謝罪した。関係者によると、この5連休中は”おわび行脚”に費やされたもようだ。
総選挙まで「政党とは距離を置く」と公言してきた阿部氏が、方向転換したのは今月上旬。民主党が「(自民、公明党との)相乗り禁止」を明確に打ち出すと、ほどなく民主へ単独推薦を希望する動きに出たのだ。推薦が得られないとなると、今度は「市民党として戦う本来の姿に戻った」と発言を翻した。
◆擁立へ大詰め
阿部氏の「変節」に、これまで与党として支え今回の市長選でも支援に向けて調整を進めていた自民党は憤慨。阿部氏との関係は「白紙状態」(ベテラン市議)となり、9月議会では代表質問で阿部氏の言動を追及する事態に発展した。
自民党は、10日の市議団団会議で阿部氏以外の候補者を擁立する方針を確認すると、14日には同党川崎市連が市長選対策本部を設置。5連休中も市連幹部が断続的に協議した。候補者選考は難航しながらも、市連会長の原修一市議は「擁立に向けて大詰めを迎えている」と説明する。公明党は独自候補を立てる予定はなく、候補者が出そろうのを静観している。
◆混乱を横目に
一方、阿部氏との民主推薦獲得で争った福田氏は、市長選で「生活者起点の政治」を掲げ、マニフェスト(選挙公約)の発表に向け準備を進める。
2月に出馬表明している岡本氏は「民主は相乗り禁止を掲げ、阿部さんは言動がぶれた。自民党も候補を出しそうだが、市民不在の混乱だ」と指摘。「一対一でも現職に勝つつもりだった。候補者が増えるのであれば、なおさら勝たなくてはならない」と意気込んでいる。
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