都城商-中京大中京戦の九回表2死走者なし。ゴロを打った都城商の打者が一塁へ頭から滑り込む。一塁塁審が見届けて、足をそろえた姿勢でアウトを意味する右腕を上げた。
一塁塁審は第70回大会(88年)から22年間、甲子園審判を務めた浜田正二・日本高校野球連盟審判規則委員(55)。この試合を最後に勇退。試合後、グラウンドから通路に降りるとねぎらいの声や拍手がわき起こり、涙があふれた。厳格さの中に優しさを感じる浜田さんの笑顔が印象深い選手も多いのではないか。
速球投手が多い今大会だが、浜田さんは第83回大会(01年)で日南学園(宮崎)の寺原隼人投手が当時の甲子園最速となる154キロを表示した時の球審。審判は、選手に最も近い歴史の目撃者でもある。
東京出身で明大-川崎重工(神戸市)とプレーし、30歳を過ぎたころ「野球に恩返し」がしたくて審判の道に。「甲子園は選手にも審判にも『模範試合』でなければならない」が信条だ。審判は立ち姿や走る姿の美しさも求められると考える。兵庫大会などでの活躍はまだ続くが、最後のジャッジに思いが詰まっていた。【吉見裕都】
毎日新聞 2009年8月23日 大阪朝刊
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