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前原国交相「ダム中止」に非難の集中砲火

 前原誠司国交相(47)が23日、建設中止を明言した群馬県長野原町の八ツ場(やんば)ダム予定地を視察した。視察後、関係自治体との懇談では「中止こそ本当の無駄」「これが友愛精神か」と、党のキャッチフレーズを逆手に取られ、非難の集中砲火を浴びた。前原氏は、政権公約への記載を盾に中止の方針を再度伝えたが、「配慮に欠けていた」と謝罪する場面も。「あくまで中止」の前原氏と、自治体側の溝は深まるばかり。鳩山内閣のアキレスけんになりかけている。

 23日昼、ダム建設予定地など3カ所を約10分ずつ視察後、前原氏が向かった地元知事らとの意見交換会は、予定時間を大幅に超え大荒れになった。建設中止へ“前のめり”状態の前原氏に容赦ない非難が飛んだ。

 地元では、ダム建設計画が発表された52年以降、議論が続いており、大沢正明群馬県知事は「地元の声にまず耳を傾けるのが、最低限の責任」と指摘。高山欣也長野原町長は「ダムの完成を待たず、亡くなったり町を去った人たちの苦労が報われない」と訴え、茂木伸一東吾妻町長は「脱官僚、政治主導はこういうものか。57年が、大臣のたったひと言で覆されるとはあまりにも独裁的だ」と批判を強めた。

 工事着工の95年、当時の自社さ政権には、前原氏や鳩山由紀夫首相ら現内閣の中枢がいた。「民主党は地方主権というが、これが友愛精神にのっとった行動か」という声もあった。

 前原氏は「皆さんは100%被害者」「私自身、配慮に欠ける部分があった」と頭を下げたが、1時間近く話を聞くと「言いにくいのですが」と切り出し、再度「中止」を通達。政権公約に建設中止を記載したことを理由に挙げ、「国民との約束。やり切る責任がある」とにべもなかった。

 前原氏は「まず私を受け入れてもらい、相談しながら新たな選択肢をつくりたい。いつも門戸は開けてある」と強調。住民代表から要請書を受け取った際、握手に応じてもらえたため笑顔を浮かべたが、要請書には「田舎の住民の気持ちを逆なでするように、お彼岸の中日にいらっしゃることにも心が痛みます」と、あった。会見後は逃げるようにバスで会場を後にした。

 大沢知事は「大臣より、民主党としての考え方での発言が多い」と批判。「中止した方が国の負担は増える」が持論の地元側は、「早期の完成に向け一生懸命努力する」(茂木氏)と、政治主導で強行突破を図ろうとする前原氏に、ますます態度を硬化させた。解決の糸口すらみえない八ツ場ダム問題は、鳩山内閣の混乱の火種になりつつある。

 [2009年9月24日9時7分 紙面から]


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