無差別に技術をついばむ鳥

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ネタつつき49−主義/思想の大切さ2

今回は主義/思想がないとどうなるのかを掘り下げて書きます。そのものの大切さを理解するには、それがないとどうなるのかを考えるのがベストです。そこで、主義/思想を修得していない人はどうなるのかを書きます。
一番ありがちなのは、新しいものを無用に攻撃し、古きものを守っているつもりの人です。例えば、新しいプログラミング言語や技術が登場すると、そういった人達は「○○で十分だ」、「新しいものは安定していない」、「○○と××が違うから駄目だ」・・・などとやたら否定します。しかし冷静に考えてみれば、その新しい言語や技術も古きものから発展しているのですから否定する必要はありません。新しいものが出ても主義/思想を武器に容易く修得できるでしょう。また、そういった宗教戦争は何も生まず、ただ役割が違うものを不当にけなしているだけの事が多々あります。普通に考えれば、古きものと新しきものは役割が違うだけであり、その主義/思想には共通点が多く同じ事すらあるのです。何をそんなに拒否する必要があるのでしょうか?
それは、新しいものに対する恐怖の表れだと私は考えております。何故かと言いますと、新しいものを覚えれば言いだけの事なのにも関わらず、こういった否定派の人々は親の敵の様に感情論で潰しにかかるからです。よく観察してみれば分かると思いますが、得てしてこういった人々の意見は、当たっている部分はあるものの、それは数撃てば当たるというだけの事であり、普通に受け入れればいいだけの話しだからです。新しいものが登場しても古いものを消す必要性はなく、両方を学んで活かせばいいのです。良いものは新旧関係なく使うというのが合理的な考え方です。
ここで、実例がないと分かり難い人も居ますので実例を挙げます。この題材に相応しいものはオブジェクト指向です。オブジェクト指向ほ簡潔に述べると、振る舞い(プロセス)とデータを一緒に扱う考え方です。何も恐れる要素はありません。しかし、オブジェクト指向を不要だと攻撃したり、オブジェクト指向をプログラミングだけと考えて構造化分析を続けたり、意味もわからずオブジェクト指向をしていると主張したり・・・と、保守的な日本では未だに普及率が低いのが現状です。
この原因は、日本の組織の人事制度が驚くほど酷いものだからです。情報産業では未だに職位制度が使われ続けております。普通に考えて、プログラマーはプログラマーとして能力差があり、どの開発高低も同様に重要なはずです。しかし日本では、プログラマー→SE(システムエンジニア、もしくはセールスエンジニア)→アーキテクトなどといったレッテルで報酬が決まる非常に古い体系です。それが原因で、優秀なプログラマーがある日突然プログラミングをする事を禁じられたり、プログラマーであり続ける事を選んだ人は実力と関係なく一生昇給しない、プログラマーであるだけで未熟者だと罵倒される・・・などといった通常の人が考えられない宗教的な言動が行われて居ます。そのような非合理的な環境で、オブジェクト指向が普及するはずはありません。オブジェクト指向を知らない人が高い地位を保持しているのですから・・・すなわち、情報産業は新しいというイメージがありますが、その実体は情報産業は非常に古い体質の業界なのです。
この事例は主義/思想を深く学び、表面ではなく根源を考えていれば起こりえない事です。この実例を見れば、主義/思想を学ばないという事がどれ程の被害をもたらすものなのかが一目瞭然です。

貴方は、主義/思想を学ばず盲目的に常に何かを恐れて、害を撒き散らしながら生き続けますか?
それとも、主義/思想を学び健全かつ理性的に生き続けますか?

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この記事のコメント

>それとも、主義/思想を学び健全かつ理性的に生き続けますか?
なんか論点が、ずれている。 主義/思想を持つことと、新しいものを否定することを同列に論じているね。
いままであちこちで炎上している原因の一つだ。
新技術を否定している人はいない。必要性も解っている。インドリさんも指摘しているように、古い技術は否定するものではなく、共存するものである。
 世のなかの製品は、リスクを伴う新技術より、安定している旧技術で成り立っていることを認識しなさい。
WPFやSilverlight云々といっても、当分は Windowsアプリが続くし、OOP的設計実装が重要だといっても、「迅速に製造せよ」という商売上の軋轢でOOPを取り入れられない現場もある。
貴君の口調は「新技術を習得しない技術者を否定している」ように読みとれる。それば、技術者を小馬鹿にしているだけで、賛同は得られない。
技術者は好き好んで旧技術で仕事をしているわけではない。
産業構造は安定した枯れた技術で成り立っているし、今後も変わらないだろう。それを踏まえて技術者教育をする方法を提案しないいけない。
「このままでは駄目だ」と言っているだけだと、テレビを見て騒いでいる視聴者と同じで傍観者の遠吠えでしかない。
それと、新しい技術は全てハッピーと思ってやしないか。目新しく見えても実は古い記述だったり、期待ハズレで消滅した技術がどれほどあるか。
新技術に取り組んで消滅するようなモノに投資するほど実業界は余裕はない。
2009-09-24 Thu 10:22 | URL | AlphaBeta #-[ 内容変更]
> >それとも、主義/思想を学び健全かつ理性的に生き続けますか?
> なんか論点が、ずれている。 主義/思想を持つことと、新しいものを否定することを同列に論じているね。

いいえ。
主義思想を学ばず、表面的な事にしか目を向けていないので、
無闇に恐れる結果になる事を指摘しております。

> いままであちこちで炎上している原因の一つだ。
> 新技術を否定している人はいない。必要性も解っている。インドリさんも指摘しているように、古い技術は否定するものではなく、共存するものである。

それが・・・かなりの数居ます。
AlphaBeta さんの様に冷静に考えられる人はいいのですが、感情論で宗教戦争をしている人も沢山居ます。
オブジェクト指向ですら普及していないこの日本の情報産業を見れば一目瞭然です。


>  世のなかの製品は、リスクを伴う新技術より、安定している旧技術で成り立っていることを認識しなさい。

そのために共存共栄を言っています。
新旧なんて関係なく、その技術に応じた役割を深く学んで使用するべきです。


> WPFやSilverlight云々といっても、当分は Windowsアプリが続くし、OOP的設計実装が重要だといっても、「迅速に製造せよ」という商売上の軋轢でOOPを取り入れられない現場もある。

暗にそういった日本の保守体質は、経営者や管理者が主義思想を把握していない結果だと言っております。
未だに職位制度をしているIT会社が多いのはよく知られた弊害です。
これで誰が幸せになるのでしょうか?
ビジネスは儲けるのが一番の目標です。
宗教的な儀式をするなんてナンセンスです。
ですから、そういった会社の経営者は商売をせずに、
一種の宗教をしているといえるのかもしれません。


> 貴君の口調は「新技術を習得しない技術者を否定している」ように読みとれる。それば、技術者を小馬鹿にしているだけで、賛同は得られない。
> 技術者は好き好んで旧技術で仕事をしているわけではない。
> 産業構造は安定した枯れた技術で成り立っているし、今後も変わらないだろう。それを踏まえて技術者教育をする方法を提案しないいけない。
> 「このままでは駄目だ」と言っているだけだと、テレビを見て騒いでいる視聴者と同じで傍観者の遠吠えでしかない。
> それと、新しい技術は全てハッピーと思ってやしないか。目新しく見えても実は古い記述だったり、期待ハズレで消滅した技術がどれほどあるか。
> 新技術に取り組んで消滅するようなモノに投資するほど実業界は余裕はない。

その為に新旧関係なく、主義思想(設計思想など)まで深く学ぶ必要があると主張しております。
新しいから使う/古いから使うではその技術を生かしている事にはなりません。
今は生かしているのではなく、技術に人が生かされている状態だといえます。

重要なのでもう一度書きますが、【新旧は関係ありません】
技術を根底まで学ぶという姿勢こそ技術者が技術者たるゆえんです。
表面的にしか学ばない者は技術者とは言えず、道具の進化に伴って必要とされなくなります。
便利な道具で出来る事を発注するエンドユーザーは居ません。
2009-09-24 Thu 10:37 | URL | インドリ #-[ 内容変更]
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