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【経済】携帯音楽プレーヤー 『2強』激しく火花2009年9月22日 朝刊 近年、アップルの「iPod」の独走状態だった国内の携帯音楽プレーヤー市場に異変が起きている。ソニーの「ウォークマン」が8月下旬から2週間にわたりトップシェアを奪還。ところが今月10日にはiPodが新製品を発売し再び逆転するなど、両社が年末商戦に向け激しく火花を散らしている。 (荒間一弘) 「最近、日本で最高のシェアをいただいたという喜ばしいニュースがあった。本日は新たに加わる魅力的な商品を発表します」 十六日に東京・銀座のソニービルで行われた発表会。ソニーのハワード・ストリンガー会長兼社長が飛び入りで登場し、新型ウォークマンのお披露目を自ら行った。 ストリンガー氏が二〇〇五年六月にソニーのトップになって以来、個別製品の発表会に出席したのは初めて。「日本で勝つことがグローバル市場での成功につながると確信している」と、ウォークマン“復活”への期待を示した。 市場調査会社BCNの調べでは、八月の最終週(二十四〜三十日)の販売シェアはウォークマンが43%でiPodが42・1%。約四年八カ月ぶりに日本でのトップシェアとなった。翌週(八月三十一日〜九月六日)はさらにシェアを伸ばし、約10ポイント差をつけた。 今回のウォークマンの返り咲きには、携帯電話「iPhone」へのiPodユーザーの分散や、新型iPod発表前の買い控えという要因もある。しかし、ソニーが昨年から進めてきたスピーカー付きモデルや、音質や画質にこだわった高性能モデル、手軽な耳かけモデルの発売など幅広いユーザーのニーズに応える商品戦略が効果を上げていることも確かだ。 十月に発売する新モデルでは、曲に合わせて歌詞の文字が画面を流れる「歌詞ピタ」機能を新たに搭載し、カラオケ好きの若者へのアピールを狙う。また、再生スピードを変えられる語学学習機能も付け、学生やサラリーマンもターゲットに据える。 一方、アップルはビデオ撮影や歩数計、アーティスト、曲名を読み上げる新機能を搭載した「iPod nano」などの新製品を今月十日に発売。「売り切れになる販売店も出ている」(アップル広報部)ほどの人気で、九月七〜十三日の週はiPodが58%、ウォークマンが32・1%と再び強さをみせた。 世界全体の販売ではiPodが五千五百八十万台、ウォークマンが七百万台(〇八年度)とまだまだ差は大きい。しかし、BCNでは「ウォークマンも力を付けてきており、新機能も目新しい。日本市場に限れば二強時代に入ったと言えるだろう」と分析している。
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