対策委会長「今後も建設推進訴え」

　「また翻弄されるのか」「これ以上待てない」。民主党佐賀県連が城原川ダム（神埼市）の計画見直しを初めて水没予定地区に説明した２２日、「建設受け入れ」という苦渋の決断をした住民からは、地元との協議なしで政策転換を決めた”政権与党”への批判と怒りが噴出した。

　怒りの理由は、小さな集落を二分しながら「建設受け入れ」までに要した時間の長さ。大串議員らは「大変な長さということは心にしみて分かっている。きちんと対応させていただく」とした上で「ダム建設に関しては（国が示したデータを含め）詰めるべき論点が残っている」と、見直し方針に変わりないないことを強調。

　これに対し住民からは「口で分かるといってもうわべだけ」「住んどるもんじゃないと苦しみは分からん」「ここに住んでみらんですか」など怒りの声が相次いだ。

　さらに、ダム計画に関し「まだ検証すべき部分が多い」との説明に対しては「流域委員会や首長会議で議論を重ね、すでに結論は出ている。我々は下流域のために国や県の方針に従ってきた。犠牲者ですよ」と訴えた。
　今後の見直し協議の不透明さにはいら立ちをあらわにした。「４０年待たされた上、また待てというのか。わたしたちにも生活設計を立てる権利がある」「来年３月までなど期限を切ってやってほしい」など早期決着を求める声も上がった。

　大串副代表は「いろんな意見を聞きながら検討していく。時期は決まっている訳ではないが、できるだけ早い段階で結論を出したい」と答えるにとどまった。

　説明を聞いたダム対策委員会の真島修会長（７２）は「これまで説明がなく、きょうも具体的な話は聞けなかった。今後も建設推進の訴えを続けていくしかない」と話した。

【写真】民主党県連のダム見直し方針の説明を受け、参加した約５０人の住民からは、怒りや批判が噴出した＝神埼市脊振町