テグシガルパ(CNN) 今年6月に起きた軍主導のクーデターで国外追放されたセラヤ大統領が21日に強行帰国した中米のホンジュラス情勢で、暫定政府当局は21日、セラヤ氏が駆け込んだ首都テグシガルパにあるブラジル大使館前に集結した支持者数千人に催涙弾を放つなど強硬措置に踏み切った。
暫定政府は大統領を国家反逆の罪に問い、身柄の引き渡しをブラジル大使館に求めている。セラヤ氏は突然の帰国について暫定政権との対話を求め、国内和解を模索するためと主張しているが、大統領選の前倒し実施が決まっている状況で自らの威信失墜を懸念した上での行動との見方もある。
米国務省のケリー報道官によると、ホンジュラス暫定政府はブラジル大使館への飲料水や電力配給や電話サービスを断絶した。クーデターによる政権交代を非難するブラジル外務省当局者は国際法違反として非難した。ホンジュラス警察当局は、ブラジル大使館周辺の地区の電話網などを切断しただけと反論している。
ミチェレッティ暫定大統領は、この規制で死亡者はいないとの声明を発表した。ただ、地元メディアの記者によると、数十人規模の負傷者が出た模様。緊迫感が高まる中で、首都の人通りは絶えたとの情報もある。同国駐在の米国大使館は業務の停止を発表した。
また、暫定政府は22日、首都全域に発令していた同日午後6時までの外出禁止令を23日午前6時までに延長すると発表した。市場や銀行、給油所が閉鎖、大学を含めた学校が閉校、公共輸送機関が中断するなど首都住民の生活に悪影響も出ている。