人気漫画「クレヨンしんちゃん」の作者、臼井儀人(本名・臼井義人)さん(51)は静岡県生まれ、埼玉県立春日部工高卒。1987年、「だらくやストア物語」が双葉社のWeekly漫画アクション新人賞佳作に入選、漫画家デビューを果たした。
90年、同社の「週刊漫画アクション」で「クレヨンしんちゃん」の連載を開始。きれいなお姉さんが大好きな「かすかべ市」の幼稚園児、野原しんのすけが主人公の本作は大ヒットとなり、92年からテレビでアニメ放送も始まった。00年からは月刊「まんがタウン」に連載中で、同社によると、既に11月5日に発売される12月号分までの原稿が編集部に届いている。
これまでにコミックが49巻、関連児童書を含めると累計約6500万部を刊行。93年に始まった劇場用アニメも今年で17本目を数えている。「しんちゃん」映画を原案にした草なぎ剛さん、新垣結衣さん主演の映画「BALLAD 名もなき恋のうた」が現在上映中だ。【岸桂子、内藤麻里子】
▽漫画評論家、村上知彦さんの話 「クレヨンしんちゃん」は、いたずらな幼児に大人が振り回されるというギャグ漫画だが、「週刊漫画アクション」という青年誌での連載だったため、子供に読ませる意識はなく描いていた。だから下ネタがあり、大人の建前のナンセンスさを浮き彫りにする面白さがあった。そこにしんちゃんというキャラクターのかわいらしさと、本音をずばりと言うさわやかさが重なり、青年誌の読者だけでなく子供や若い女性にも受けた。テレビアニメも映画もヒットし、時代の中で存在感を発揮し続けるパワーはすごかった。描き手としては全盛期、まだまだいろいろやりたかったでしょうね。
毎日新聞 2009年9月20日 22時30分(最終更新 9月20日 23時09分)