最近のカメラの高機能化には目を見張る一方で、おもちゃ感覚で楽しめる「トイカメラ」の人気もますます高まっている。デジタルカメラのなかにはトイカメラ風の写真が撮れるモードがついているものもあるし、トイカメラで撮った写真のように加工できるソフトも出ているほどだ。

チープな作りだが、それゆえに撮れる写真には独特の風合いがあり、どこか懐かしい感じ。さらに、カメラ本体のポップな外観もトイカメラの魅力のひとつになっている。近ごろはデザインのバリエーションも豊富だが、先日ふと見かけて驚いたのが、ジュースやミルクのパッケージを模したもの。ちょっと見ただけでは、カメラだとは気づかないのほどリアルだったのだ。

“ジュースカメラ”や“ミルクカメラ”を製作している株式会社FUUVIの広報担当、鳴海さんに話を聞くと、
「この形のカメラはまるで本物のジュースのように見えるので、昔はスパイが使っていたといわれています。これをかわいらしいデザインやパッケージで商品にしたらおもしろいのでは？　と思い、企画しました」
カメラとはわかりにくいので、ふとした瞬間の絶妙な表情を撮るのにもってこい。
「ジュースを飲むフリをしながらパシャリ！　なんて、遊びながら気軽に撮っても楽しいですよ」　使わないときは部屋に飾ってもオシャレなデザインが嬉しい。

ジュースカメラやミルクカメラのほかに、タバコカメラもある。それぞれストローやタバコがシャッターになっており、シャッターロックもかけられる仕組み。35mmフィルムカメラなので、フィルム交換をすれば何度でも繰り返し使える。もちろん、写真はトイカメラ特有の味のある仕上がりになる。
「トイカメラユーザーが大好きなトンネルエフェクト（四隅が暗く写っていく効果）やプラスティックレンズ特有のフレア、28mm画角のレンズでワイドに撮影など、かなり遊べるつくりになっています」

商品は去年12月に発売。ジュースカメラ7種、ミルクカメラ2種、タバコカメラ4種の計13種があり、うち6種は今年6月に新バージョンとして追加されたもの。価格はいずれも2,280円（税込）で、ヴィレッジヴァンガードなどの雑貨屋さんを中心に取り扱っている。ちなみに特に人気があるのは、パッケージがリアルな「ジュースカメラSUNNY」と「ミルクカメラGulp!」だとか。

遊び心いっぱいのこのカメラ。あなたならどんなシーンで使いたいですか？
（古屋江美子）