ここから本文エリア

現在位置:asahi.comマイタウン宮崎> 記事

企画特集

【医のあした】

小林立病院が落成 産婦人科再開は先送り

2009年09月14日

写真

 昨年3月から進められていた小林市立病院(147床)の全面改築工事が終わり、13日に落成式があった。敷地内に現施設とは別に、鉄筋コンクリート5階建ての新病院=写真=を建設し、最新の医療機器を導入。病室にゆとりを持たせて患者に対するアメニティー(快適さ)の向上を図るなど、西諸地域(小林市、えびの市など)の中核病院としての機能を拡充させた。24日から新病院での診察を始める。だが医師不足の影響で、休診中の産婦人科の再開は先送りされる見通しだ。(知覧哲郎)

 72年完成の現施設は老朽化や狭隘(きょう・あい)化が目立ったため、市は06年3月に改築方針を決め、基本計画を定めた。用地取得費を含む総事業費は約53億円。現施設は解体し、跡地は来年3月までに駐車場として整備するという。

 新病院は非常勤2人を含む医師15人体制で、内科や消化器外科、小児科など10科を掲げる。落成式で、堀泰一郎市長は「市民の悲願の一大プロジェクト」の完成を喜び、「よりよき医療サービスの提供に努める」とあいさつ。野本浩一院長も「西諸2次医療圏の中核病院にふさわしい病院として生まれ変わった」と誇った。

 だが、03年4月から休診が続き、新病院で予定していた産婦人科の再開は先送りされるという。想定していた宮崎大学からの医師派遣が難しくなったためで、新病院の目玉にと設けた、外来から入院まで一貫して対応する周産期ゾーンの運用も当面は不可能になった。

 また、現在は4人いる内科医も10月には1人減り、新病院が全体で適正と考える医師19人体制からは遠ざかる。落成式で来賓からは「地域医療を取り巻く状況は深刻。医師確保を根気よく県や国に要望すべきだ」との指摘もあった。病院側は、産婦人科医の確保が難しい場合は非常勤医による婦人科のみの診療を検討。小児科でも入院対応を可能にするため1人増の2人体制が理想として、「医師確保が新病院の最重要事項」と強調している。

PR情報
朝日新聞購読のご案内

ここから広告です

広告終わり

マイタウン地域情報

ここから広告です

広告終わり