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日米外相会談:給油中止を事実上容認 記者団に国務長官

クリントン米国務長官(右)と会談に臨む岡田外相=米・ニューヨークのウォルドルフ・アストリアホテルで2009年9月21日午後4時31分(代表撮影)
クリントン米国務長官(右)と会談に臨む岡田外相=米・ニューヨークのウォルドルフ・アストリアホテルで2009年9月21日午後4時31分(代表撮影)

 【ニューヨーク野口武則】岡田克也外相は21日午後(日本時間22日午前)、ニューヨークでクリントン米国務長官と約45分、会談した。クリントン長官は「日米同盟は米国外交の礎石だ」と強調。外相も「日米同盟を30年、50年と持続可能で深いものにしていきたい」と応え、日米同盟関係を引き続き強化していくことを確認した。インド洋での海上自衛隊の給油活動中止についてクリントン氏は会談冒頭で、記者団に「日米関係は非常に幅広く深いもので、一つの問題で定義づけられるようなものではない」と述べ、事実上容認する姿勢を示した。

 ◇岡田外相、アフガン支援で民生分野での協力を表明

 23日に行われる鳩山由紀夫首相とオバマ大統領の会談に先立って行われ、日米の課題について両国が本格的に協議する最初の機会となった。

 給油の代替案となるアフガニスタン支援について外相は「日本としても自らの問題として民生分野で積極的な役割を果たしたい」と表明。クリントン氏は「日本の(アフガンでの)警察支援は高く評価している」と歓迎し、アフガン、パキスタン両国の復興支援の重要性で一致した。

 また在日米軍基地再編問題について外相は「民主党は賛成してこなかった問題もある」と言及。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の県外移設問題に間接的に触れたうえで、「両国で緊密に取り組みたい」と再協議する考えを伝えたが、クリントン氏は「現行計画の実現が基本で重要だ。安全保障の問題では日本と話し合っていきたい」と述べるにとどまった。

 このほか、北朝鮮による拉致問題については、クリントン氏が「心を痛める問題で、米政府としても引き続き取り組む」と発言。外相は「核、ミサイル、拉致問題の解決がなければ、日朝国交正常化はない」として自民党政権の基本方針を変えないことを表明した。核持ち込みを巡る日米密約の調査には触れなかった。

 ◆日米外相会談の要旨

 【日米同盟】

 クリントン米国務長官 日米同盟は米外交の礎石でアジア太平洋の平和と繁栄の基礎だ。共通の価値観やよりよい未来を追求するため同盟関係を深め、強化することに共に取り組みたい。

 岡田克也外相 日米同盟が30年、50年と持続可能で深いものにしていきたい。目の前のさまざまな課題についてお互いに議論しながら解決していきたい。

 【アフガニスタン支援】

 岡田氏 民生分野で積極的な役割を果たす。働く場を作り、職業訓練を含めてやっていくことが必要だ。政府で検討している。

 両外相 アフガン・パキスタンの安定と復興はテロ撲滅と世界の安定にとって最重要課題だ。

 【在日米軍再編】

 岡田氏 民主党が賛成してこなかった問題もある。話し合っていきたい。

 クリントン氏 現行計画の実現が基本で重要だ。これからよく議論していこう。

 【北朝鮮】

 クリントン氏 前回の訪日で拉致家族とお会いした。心を痛める問題だ。米政府としても引き続き関心を持って取り組んでいく。

 岡田氏 拉致、核、ミサイルの問題、全体で解決が得られなければ国交正常化はしない。

毎日新聞 2009年9月22日 19時26分(最終更新 9月22日 22時44分)

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