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【主張】日中首脳会談 生煮えの構想提示は残念

2009.9.23 03:02
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 鳩山由紀夫首相と胡錦濤中国国家主席の会談はニューヨークで行われ、東シナ海のガス田開発から北朝鮮問題まで幅広い議題について、「なごやかな雰囲気」(鳩山首相)で意見交換が進行したという。

 しかし、今回の会談には、いくつかの懸念があることを指摘せざるを得ない。

 鳩山首相は民主党の政権公約にも盛り込んだ「東アジア共同体」構想を提唱した。通商や金融、エネルギーなど幅広い分野での域内協力体制の構築を目指そうという試みである。

 これを日中主導で行うなら中国の思惑と合致する。東アジアでの軍事面も含めた米国の影響力を弱める方向に作用するからだ。

 「東アジア共同体」が究極的には安全保障面での共通政策や共通通貨を想定しているのだとすれば、国家主権の観点から待ったをかけたい。日本にとって唯一の同盟国である米国との十分な協議なしに、拙速に進めてよい構想ではあるまい。生煮えの構想提示はきわめて遺憾だ。

 最大の懸案である東シナ海のガス田開発問題では、鳩山首相が「友愛の海にしたい」と述べたのに対し、胡主席は「平和友好協力の海にしたい」と応じた。しかし、昨年6月の合意後、実務協議は中断している。首相が「中国の動きの真意が見えない」とただしたのに対し、主席は「大局の枠組みの中で正しい処理が必要だ」と述べるにとどまった。

 胡主席は大陸棚にあるガス田について「両国国民の敏感な問題」と表現した。中国の経済成長にとって死活的なエネルギーと領土問題では決して譲歩しないとの原則を示したとみられる。日本が国連に申請した沖ノ鳥島を基点とする大陸棚の延伸に中国は強硬に反対している。鳩山政権には日本の国益を死守する覚悟を求めたい。

 鳩山首相は胡主席に対し、かつての日本による植民地支配と侵略を謝罪した1995年の「村山談話」を基本的に踏襲すると述べ、「お互いの立場の違いを乗り越えられるような外交、違いを認め合える関係が『友愛』だ」と説明した。中国は歓迎するだろう。

 しかし、中国の軍事力の増強が透明性を欠き、日本の脅威になりうる現実を直視すべきだ。友愛だけでは通用しない。来月の日中韓首脳会談では、毅然(きぜん)とした国益を守る主張を期待したい。

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