X-Window Programming

2005年10月17日更新

付録. GIMPの基本的な使い方
GIMP(GNU Image Manipulation Program)は,Linuxでは非常にポピュラーな画像作成(ペイント)プログラムです.レイヤーやチャンネルといった機能も有しており,ゲームで多用するアニメーションを作成する際に効果を発揮します.
GIMP Webサイト
(1)起動と画像作成準備
GIMPの起動
Linuxのメニューバーから,【アプリケーション】→【グラフィックス】→【The GIMP】を選択
図1のウィンドウが表示されます.このウィンドウから,各種ツールを選択し,画像を作成していきます.

図1 GIMP起動時のウィンドウ(ツールウィンドウ)

新規画像の作成
GIMPメニューバーから,【ファイル】→【新規】→【The GIMP】を選択
図2のウィンドウが表示されます.このウィンドウで,作成する画像のサイズや色モードを指定します.

図2 新規画像の作成ウィンドウ
(2)画像作成
描画ツールの選択
ツールウィンドウに様々な描画ツールのアイコンがあります(ペン,塗りつぶし,スプレー,文字等).加えて,範囲選択のアイコンもあります.ツールの効果は実際に描画してみて,確認してください.
色の選択
ツールウィンドウから色を選択します.表示されている色数は2つ(図2では白と黒)ですが,色のアイコンをダブルクリックすることで,パレットウィンドウ(図3)が表示され,意図する色を選択することができます.

図3 パレットウィンドウ
(3)背景透過画像の作成法
ゲームでは,作成したキャラクタ画像を背景画像に重ねて表示させます.その時,キャラクタの背景がある色で塗られていたら,背景とマッチせず,不自然になってしまいます.そこで,キャラクタ画像の背景は透過させて作成・保存します.これにより,透過させたキャラクタの背景はガラスのようになり,背景画像を透かして重ねることができるようになります.ここでは,GIMPを使った背景透過画像の作成法を紹介します.
@画像を作成(または開く)
まずは,キャラクタ等の画像を作成します.デフォルトの設定では,背景として白色がセットされており,キャラクタの背景は白くなります(図4).この画像をそのまま画像ファイルで保存し,プログラムから表示すると,白い背景がそのまま表示されてしまいます.そこで,背景透過処理を施す必要があるというわけです.

図4 画像作成(背景を白色で作成)

Aアルファチャンネルを追加
GIMPメニューバーから,【レイヤー】→【透明部分】→【アルファチャンネルを追加】を選択
背景透過画像を作るには,アルファチャンネルというレイヤーを追加します.これで画像が2つのレイヤーで構成されることになります.追加したレイヤーの色を透明にし,その上のレイヤー(作成した画像があるレイヤー)の背景を削除することですることで,背景透過画像を作成します.
B隣接領域の選択ボタンを押す
ツールウィンドウから,隣接領域の選択ボタンをクリック
図1で選択されているアイコンが隣接領域の選択ボタンになります.
C透過させたい背景部分を選択
背景部分(白い背景)をクリック
図5のように,背景部分だけが点線で示され,選択されます.このとき,背景を単一色(白)にして,キャラクタの輪郭線を閉じておくとよいでしょう.

図5 背景選択(見えにくいですが,背景部分とキャラクタ本体部分の境目が点線で示されています)

D背景部分の消去
GIMPメニューから,【編集】→【消去】または【切り取り】を選択(Ctl+Xで背景を切り取ることもできる)
図6のように,透過させる背景が格子模様で表されます.この状態のときXPM形式,PNG形式,またはGIF形式で保存すると,背景透過画像ファイルが生成されます.

図6 背景透過させた画像