河野太郎公式サイトで「DNA鑑定」と一致するもの

DNA鑑定その2

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DNA鑑定に対する自民党内の抵抗とはどういうことか。

国籍法の問題が生じるまで、DNA鑑定が問題になったのは、民法772条問題だった。

婚姻の解消若しくは取消しの日から300日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する、という民法772条の規定により、離婚後300日以内に生まれた子供は前夫との子供になる。

しかし、離婚が増えるに従って、現実には前夫との子供でない子供が生まれるケースが増えてきた。出生届を出すと、前夫との子供になってしまうため、母親が届けを出さず、結果として子供が無戸籍になってしまうケースも出ている。

そのため、DNA鑑定で新夫との親子関係を証明できれば、新夫との子供として戸籍に載せられるようにしようという民法の特例法が検討されたが、その際に、自民党内の一部から、そんなことをすれば夫婦の浮気を奨励するようなことになりかねないと、DNA鑑定で親子関係を認めることに強い反対意見が出された。

また、仮に代理母による出産が行われた場合、現在では出産した女性が戸籍上の母親になる。しかし、代理出産を認めようとする立場から、DNA鑑定をすれば真の親子関係が明確になるので生物学上の母親(卵子の提供者)を戸籍上も母親と認めるべきだという意見が出され、これまで通りの戸籍の取り扱いを続けるべきだという意見と対立している。

DNA鑑定に反対派は、日本の家族関係とは単なる生物学的な親子関係だけではないと主張してきた。
そして、反対派は、国籍法の問題でDNA鑑定を導入すれば、民法772条問題や代理出産問題にも影響が出ることをおそれ、消極的だ。

改正国籍法の問題は、全く事実に基づかない誤った情報やそれに基づいた誹謗中傷が流され、議論が混乱していた。しかし、施行後の状況も明らかになりつつあり、補正予算で設備の問題が解決するならば、そろそろきちんとした議論ができる状況になってきたのではないか。

DNA鑑定

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全く話題にならないが、補正予算の中に、警察庁の「DNA型鑑定による性犯罪等の検挙」59億7600万円という項目がある。

各都道府県ごとに、DNA型鑑定装置2台、DNA抽出装置3台、データ解析装置4台、PCR装置4台、DNA定量装置1台を設置する予算だ。

警察の犯罪捜査にDNA鑑定が頻繁に使われることになり、各県警のこれまでの装備では足らなくなったので、この際設備を追加するというもの。

実はこの予算による設備は、国籍法の問題解決にも使える。

国籍法の改正については、「国籍法改正の首謀者は河野太郎」という誤った情報が流されていたが、昨年11月の国籍法改正は議員立法ではなく、違憲判決を受けて内閣が提出した法改正だ。

国籍法の改正による認知に関して、法務局の担当者の調査にかかる時間や労力は、DNA鑑定を導入することで大幅に節約できる。

昨年、内閣が国籍法改正案を提出すると同時に、DNA鑑定を導入するための河野太郎の個人的な案を警察庁と協議してきた。

「国籍法の改正を受けて子供を認知しようとする父親は、最寄りの警察署に赴いて、DNA鑑定用のサンプルを採取してもらい、各県警でDNA鑑定をしてもらうことを義務づける」という案である。

そうすれば、費用も民間で鑑定するよりもはるかに安く、試料のすりかえなどもできない。
最寄りの警察署というのは、銀行のカードの不正使用の被害届を警察署に出させることにしたのと同様に警察署に行くことで不正を抑制することにつながる。

こうした協議を続ける中で、河野案を実施しようとするならば、警察庁からは以下の3つの問題の解決が必要であると指摘された。
1. 法律がなければそれはできないということ
2. 現状では捜査のためのDNA鑑定が一気に増え、捜査以外のことに設備を使うのはきわめて困難であること、
3. DNA鑑定の導入に反対する自民党議員の抵抗があること

まず、「1.法律がなければそれはできないということ」については、やることに決めれば、議員立法で提出できるから、残る問題は二つ。
「2.捜査以外のことに設備を使うのはきわめて困難」ということについては、この補正予算の「DNA鑑定による性犯罪等の検挙」59億7600万円で、各都道府県にDNA鑑定用の各種装置が追加導入されるので、捜査以外にも使用する余裕ができるようになるはずだ。(他の犯罪に比べて、国籍法に基づく認知はさほど多くないため、この予算の中で実行できる。)

最後に残った課題は「3.DNA鑑定の導入に反対する自民党議員の抵抗があること」。
これについては改めて説明する

国籍法Q&A その2

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国籍法の改正に関して、まだ誤解されている方がいらっしゃるようなので、多少、補足します。

こちらも参照してください。( http://www.taro.org/blog/index.php/archives/946 )

まず、この改正案は、最高裁判所の違憲判決を受けて、法務省が改正案を作成し、閣議を経て、内閣が国会に提出した法案です。
私を含め、議員がこの改正案の作成、提出に関わることはありません。

Q.なぜ麻生総理が訪米中でいないときに審議するのか?

A.いくつかの事実誤認があります。内閣提出の法案は閣議決定されますので、総理が閣議決定の場にいらっしゃいます。この改正案の場合も総理主宰の閣議で決定されています。
国籍法は法務委員会に付託され、法務委員会には総理大臣は出席せず、法務大臣が答弁します。
総理が不在でも、法務大臣出席の下、法務委員会で審議は行われますが、この法案が法務委員会で審議された日には総理は日本にいらっしゃいました。

審議日程は自民党内の審議に関しては法務部会長が、国会提出後は各党の国対と与野党の法務委員会理事が責任を持ちます。

Q.なぜこの改正案は、国会議員が知らないうちに党内手続きが進められたのか?

A.この法案の審議は、法務部会、政調審議会、総務会というごく普通の党内手続きで行われました。全ての会議の時間と場所、内容は衆議院公報に載っていますので、全ての議員とスタッフが知っています。自民党の会議の時間と議題は、携帯電話でも見ることができます。
全ての法案が同じような手続きで審査され、この改正案も例外ではありません。
全ての部会は自民党の衆議院議員、参議院議員ならば誰でも出席することができます。

また自民党の一回生議員は全員、国会対策委員会の委員として国会で審議される全ての法案の内容の説明を聞きます。

こんな法案知らなかったというのはサボっていたと同意語です。

Q.なぜこの改正案では、子供を認知する父親に扶養義務を課さないのか?

A.子供を認知すると、当然に扶養義務が発生します。扶養義務は民法で規定されています。国籍法は国籍に関することを定める法律ですので、国籍法では扶養義務に関して定めません。改正前の旧国籍法でも認知した父親には扶養義務が発生します。

Q.なぜ偽装認知による国籍取得の罰則が一年以下の懲役または二十万円以下の罰金と軽いのか?偽装結婚並みに五年以下の懲役または五十万円以下の罰金とするべきではないか?

A.偽装認知による国籍取得は、市町村への認知届けと市町村への国籍届けを出すことによって公正証書原本不実記載罪が併合され、七年半以下の懲役と百二十万円以下の罰金になります。

Q.なぜ認知に際して、DNA鑑定を条件としないのか?

A.法務委員会での付帯決議に基づいて、国籍法プロジェクトチームでもDNA鑑定についても議論していきます。
論点がいくつかあります。
まず、DNA鑑定を取り入れるとなると、国籍取得届けが、届出のままでよいのかなんらかの許可にする必要があるのかということ。
DNA鑑定に関する実務的な問題をどうクリアするのか。どこで行うのか、検体のすり替えをいかに防止するのか、費用負担をどうするのか。
DNA鑑定を必須としたときに、母親や子供から認知を求められた日本人の父親がDNA鑑定に応じなかったときに、強制する手続きをつくるのか。

さらに、今の民法の根本的な考え方をこれによって変えるのかどうか。

例えば、受精卵を代理出産した場合、今の日本の民法では、出産した者が母親となります。DNAよりも出産が家族関係の決め手になっています。
民法七百七十二条の問題でも、妊娠時点で母親と結婚していた者が
父親となります。

自民党のなかでも保守派と呼ばれる人たちは、家族というのは、生物学的なつながり以上のものがあると主張し、家族の問題に、安易にDNA鑑定を導入することには慎重です。
反対にリベラルとよばれる議員はこれまでDNA鑑定の導入にはどちらかというと前向きでした。
認知の問題でDNA鑑定を導入するということは当然、こうした問題にも波及します。議論の中からうまく結論を導き出さなければなりません。

Q.たくさんの外国人の女性が子供を日本人に認知させ、日本国籍をとらせてその母親として来日してしまうのではないか?そういう母親が日本で生活保護をもらうことになったら税金の負担が増えるではないか?

A.それはそう簡単なことではありません。
現在、海外で外国人の母親と暮らす日本国籍を持つ幼児が、母親が来日できない、つまり日本の入管がその母親の在留資格を認めないために、日本にくることができないというケースがかなりあり、そのため世界移住機構(IOM)から、この問題を提起されているぐらいです。
子供を偽装認知させようという母親は、まずその認知について審査され、来日のための在留資格で審査されますので、そう簡単に来日できません。
入管は、日本できちんと生計を営むことができるかを含め審査していますので、偽装認知で子供に日本国籍を取得させ、一緒に来日して生活保護をもらうというのは、無理です。

Q.暴力団の構成員が外国の女性を多数認知して来日させ、売春などをさせることにならないか。

A.多数の外国の女性を認知しようとすれば、それは相当、細かくそれぞれのケースについて審査されることになります。まず最初にそれぞれの女性が生まれた年から逆算した時期にその国への渡航歴がなければ、アウトです。

Q.日本人が外国で、お金をもらってたくさんの子供を妊娠させてしまえば、DNA鑑定をしても、国籍をとることができるようになってしまうのではないか?

A.日本人の子供ですから、日本国籍を得ることになります。父親には扶養義務が発生します。その母親が来日できるかどうか、在留資格を得られるかどうかは上記の通り、厳格な審査の対象となります。

座長私案

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国籍法PT。
法務省から、各国の二重国籍に関する法制の比較調査の結果を説明してもらう。

座長私案をたたき台代わりに提示する。これは議論のスタートとして提示するもので、少し時間をかけながら議論をしてもらう。

重国籍に関する座長私案
 日本国籍を持つ者が他の国籍をあわせて保持することを認める。
 日本国籍以外の国籍を持つ者は、本籍地でその旨の申告をしなければならない。これを怠った者は、罰金刑および日本国籍を失うこともある。
 父母の国籍が違うことにより、二重国籍となる者は両方の国籍を保持することができる。
 日本国籍を持つ者は、生地主義で得た国籍も保持することができる。
 日本国籍を持つ者が、重国籍を認める他の国の国籍を取得した場合、日本国籍を保持し続けることができる。ただし、日本が承認している国に限る。
 重国籍を認める国の国籍を持つ者は、要件を満たせば日本国籍を取得することができる。この場合、元の国籍を失わない。ただし、日本が承認している国に限る。但し、日本国籍の取得に関しては、毎年の国別の割当数を設ける。
 皇族、国会議員、大臣、外交官、自衛隊の士官、判事は日本以外の国籍を保持することはできない。
 日本国籍を持つ者が、外国の王族の一員になったとき、または、大統領、国会議員、閣僚、外交官、軍隊の士官、判事の職に就いたときは、日本国籍を喪失する。
 日本国外で生まれ、血統により得た日本国籍を含む複数の国籍を持つ者が、二十二歳になるまでに通算して一年間(365日)、日本国内に居住していない場合は、日本国籍を喪失する。
 ある国が日本を侵略することを企てることにより日本と交戦状態になった場合、日本の国家および地方公務員は、その国の国籍を保持することはできない。
 日本国籍を含む複数の国籍を持つ者が、志願して他国の軍隊に入隊した場合、日本国籍を失う。
 日本国籍を持たない母親の子供を認知する場合、DNA鑑定を必要とする。

これに対し、今日のフリートーキングでは、届け出をさせることに対する懸念、罰則を設けることに対する懸念、居住要件を設けることに対する懸念、認知にDNA鑑定を義務づけることへの懸念が出された。

国籍をめぐる問題

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最近、ブログがしばしばダウンする事態が起きています。
プロバイダに確認したところ、アクセス数が想定を超えているとの回答でした。抜本的な対策には時間がかかるので、しばしの間、問題が再発する可能性があります。ご容赦下さい。

党本部の地球環境特別委員会で京都議定書の目標達成のための各省庁の動きをヒアリング。
議定書の目標を達成できなかったときにどうするのかという準備をそろそろ党でやるべきと申し上げるが、委員長は議定書の目標はあくまで達成するという固い決意でというばかり。
固い決意とコンティンジェンシーは別物なのに。
こういう意味不明な精神論ではどうにもならない。
各国の関係者や専門家の意見は、日本の目標達成は難しいだろうというのが多い。

国籍PT。
外務省に、パレスチナ人は(どこの国籍かは別として)国籍を持っていると明言せよと指示する。日本に大使館ではないものの代表部を構えている国(地域)の人間が無国籍のはずがないではないか。
外務省が国籍があるといえば、法務省は無条件に日本国籍を与えるという現状を改める。
もう一つの新しい論点が、日本人父と外国人母の間の問題。
子供が生まれる前に父母が婚姻していない場合、胎児認知なら出生と同時に国籍が与えられ、出生後の認知では父母が結婚しないと国籍が与えられない。出生後の認知は父母が婚姻することが条件で国籍を与えられる。
ということは、日本人父と白人母との間の胎児を日本人父が認知したが、生まれてみたら黒人の子供だった、つまり日本人父の子供ではなかった場合でも国籍は出生と同時に与えられ、日本人父が認知無効の申し立てでもしない限り、国籍はそのままだ。
外国人母とその子供が日本人父に認知の訴えを起こし、DNA鑑定で父子が認められた場合、つまり明確に父親は日本人だという場合でも、父母が婚姻しない限り、子供には国籍は与えられない。
これでよいのだろうか。
国籍に関する論点、問題があれば、どうぞ、ご連絡下さい。個別に対応できないかもしれませんが、法律的な問題ならばPTで議論して参ります。

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