たった10年まえに、まだウィキペディアがなかったというのは、不思議なことのように思えます。ウィキペディアは現在では、月に3億3千万人もの方々が利用する、世界で最大のオンライン知識情報源になっています。これまでの8年間に、数十万のボランティアの方々が、多様なウィキメディアのプロジェクトを作り上げ、また守ってきました。
わたしたちは多くをなしてきましたが、しかし、わたしたちの目指すところである、「地球上の誰もが自由にアクセスできる、全ての人類の知識の集合」へと到達するためには、なお多くのことをなさねばなりません。どうすれば、これまで積みあげてきたものを土台として、これらの課題に立ちむかうことができるでしょうか? 世界の人口のうち、インターネットに接続できるのはその5分の1にも達しません。数十万のボランティアが、こんにち、ウィキメディアのプロジェクトに参加してはいますが、それでも世界の多様性を十分に反映しているとは言いがたいものがあります。自由な知識を作りあげ、共有してゆく世界的な運動を作りあげるためにできることには、いろいろな選択肢があるようです。
わたしたちは、1年をかけて、ウィキメディアの戦略的目標を立ててゆくことになりました。具体的には、次のことを把握しようとしています:
- わたしたちはどのような位置にあるのか
- わたしたちが5年後どうあっていたいか
- ここからそこへどのように進めばいいのか
これらの問題への答えを出すのを、ぜひお手伝いください。それらを洗いだし、分析し、わたしたちの目指すものや、価値観と照らしあわせてどのような意味合いがあるのか考えてください。それには、五つの方法があります。
- 対策委員会にご参加ください。わたしたちは、対策委員会を設置し、問題点の発見と、その解決策について勧告を行います。この委員会に参加して体系的に作業できない場合も、個別の問題を解決するチームを組織していただければ助かります。
- お手伝いいただけることをお教えください。わたしたちが取り組もうとしている問題に関わる専門家でいらっしゃる方に、おなまえの登録をお願いしています。このデータベースで、対策委員会やほかのボランティアが質問をできるようになります。お時間があるときにお返事をいただきたいと思います。
- お考えをご発表ください。戦略ウィキに提案をお書きになるか、提出された提案の整理のお手伝いをしてください。ブログやメーリングリスト、あるいはmixiやtwitter、Identi.caやFacebookなどその他のソーシャル・メディアなどにメモや意見を発表なさるのでも結構です。#wikimediaというソーシャル・タグをつけたり、戦略ウィキにリンクして、ほかの方も見られるようにしてください。
- 戦略について議論してみてください。よい目標を作りあげるために、よりひろくからの層の参加を得たいと思っています。対策委員会がウィキメディアの将来について意見をすべてのかたから伺うことはとてもできることではありません。この点でお助けを賜りたいのです: 戦略についての議論の場を、集まってでも、ネット上ででも設けて、その結果を戦略ウィキで発表してください。戦略ウィキ上にそのような議論を円滑に行うためのテンプレートや道具が用意してあります。
- お声をお寄せください。対策委員会にご意見・ご感想をお寄せください。わたしたちに意見や、希望、懸念、プロジェクトでしようとしていることについてお聞かせください。お寄せになるところは、戦略ウィキのほか、メールをstrategy@wikimedia.orgにお送りいただいても結構です。
これらのプロセスに携われないときは、ご寄附をご検討くださいませんか。寄附はこのプログラムを直接ご支援いただく手段です。また、このプロジェクトに参加くださったり、技術を進展してくださったり、そのほかさまざまな手段でご援助くださるボランティアの方々もわたしたちは必要としています。
今世紀、わたしたちはわたしたちの社会を変革し、全人類に均等な機会を作り出す可能性を手にしようとしています。地球上のすべてのひとと知識を共有できるようにしたいというわたしたちのこころみにご参加くださると幸甚です。
マイケル・スノウ
ウィキメディア財団理事長
ジミー・ウェールズ
ウィキペディアおよびウィキメディア財団創設者