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最低賃金引き上げ 非正規社員には朗報も正規社員の賃金はカット?

9月19日21時46分配信 産経新聞

 都道府県ごとに決まっている賃金の最低額をどれだけ引き上げるかは、鳩山内閣が重視する格差是正のために不可欠の施策だ。民主党は「最低賃金(時間給)の全国平均1千円を目指す」と公約しており、実現すれば、最低賃金は300円近くも跳ね上がる。

 野村証券金融経済研究所の試算では、1千円への引き上げで1377万人(全雇用者の25・1%)に計3兆4千億円もの賃金増をもたらすといい、パートタイマーら非正規労働者にとっては、大幅な所得増につながる朗報となりそうだ。

 主要国の中で日本の最低賃金はかなり安い。平成21年度の全国平均は713円の見込みで、昨年のフランスの1373円、英国の1193円と比べて見劣りする。米国は689円と日本より少し安いが、佐賀県や沖縄県などは629円と、米国以下の水準だ。

 東京、神奈川、京都、大阪などの12都道府県では、最低賃金が生活保護水準を下回る逆転現象も起きている。例年の改定額も上げ幅は10円程度。民主党は、まず全国で最も低い最低賃金を800円にし、最終的に全国平均1千円を目指すという。

 問題は、企業側が賃金アップに耐えられるかどうかだ。景気低迷が続く現状では、正社員の給与が削減される恐れもある。同研究所の分析では1千円への対応を正社員の賃金カットで行えば、正社員の賃金は2・3%も減少。中小企業への配慮など鳩山内閣が解決すべき課題は少なくない。

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最終更新:9月19日21時46分

産経新聞

 

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