テレビの人権侵害など対応権限を 日本版FCCで内藤副大臣内藤正光総務副大臣は22日、東京都内で講演し、民主党が新設を公約している通信・放送担当の独立行政機関「通信・放送委員会(日本版FCC)」について、2011年の通常国会に設置法案を提出、テレビ番組による人権侵害などの被害が深刻化しかねない場合は緊急に対応できる権限を持たせたい意向を明らかにした。 是正命令など新たな行政処分を念頭に置いているとみられ、表現の自由との兼ね合いで論議を呼ぶのは必至だ。 問題のある番組に関しては現在、民放とNHKでつくる自律機関の放送倫理・番組向上機構(BPO)が調査や勧告を行っている。 内藤副大臣は「原則としてBPOに任せる」としながらも「放っておいたら、ある人物の被害が急速に進んでしまうような場合、BPOでは対応が難しい。議論になると思うが、通信・放送委員会が何らかの対応を取れる権限を持ってもいい」と述べた。 内藤副大臣によると、同委員会は電波の配分や放送・通信事業の規制監督を担当。今後、タスクフォース(作業部会)を設けて法案を検討し、来年中にまとめるという。 一方、ペルー訪問中の原口一博総務相は21日、首都リマで記者会見し「統治機関である総務省が監督権限を行使するより、第三者機関(の日本版FCC)をつくって言論、放送、報道の自由を確保することが大事。最初の1年間は国民的合意を得ることに力を尽くすべきだ」と語った。 【共同通信】
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