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【ヤフーニュースの舞台裏】(上)日本を動かす「トピックス」 (1/2ページ)
国内最大のポータルサイト「ヤフー!ジャパン」。1日平均19億のアクセス数を誇るサイトのトップページに、8本の注目ニュースを掲載した「トピックス」と呼ばれるコーナーがある。トピックスに取り上げられると、関連サイトが急激なアクセス増でパンクすることも少なくない。経済記事の取り上げられ方次第では株価にも影響を与える、わが国最強のネットニュースだ。いったい誰がどうやって作っているのか。
刻一刻と入れ替わる8本のトピックスは、コンピューターが自動で更新しているのではない。窓の外に東京タワーを望む六本木の超高層ビル、東京ミッドタウンタワー17階にあるヤフーのトピックス編集部で、生身の人間たちが選んでいるのだ。
「よく『世の中を動かす男』とか言われるが、そんなことは考えてもいないし、実際に動かしてもいない。われわれは全国のメディアから記事の配信を受け、全国の読者へ届ける中継係。いわば東京タワーです」
トピックス編集チームを率いて10年になる奥村倫弘(みちひろ、40)は淡々と話す。
インターネットの普及により、新聞やテレビの代わりにネットでニュースを知る人が増えた。新聞各紙が生き残りをかけてニュースサイトの充実にしのぎを削る中、ヤフーによれば、ヤフーニュースは月間37億6000万アクセスとけた違い。各新聞社系サイトの10倍に上る。紙媒体に換算すると、1分間で約8万7000ページがめくられていることになるという。
トピックス編集部は自ら取材はしない。代わりに新聞社や通信社、テレビ局など約150媒体と契約し、記事の配信を受ける。その数、1日約3500本。これら膨大な記事から世の中の関心を呼びそうなニュースを1日に50〜60本選び出し、理解を深める関連サイトを紹介するリンクを張り、見出しをつけてトップページへ掲載する。