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北朝鮮、後継者論議を中断か? 韓国紙報道

9月12日16時18分配信 産経新聞

 【ソウル=水沼啓子】12日付の韓国紙、東亜日報は、北朝鮮の報道ぶりを分析し、今年7月以降、金正日総書記を中心に再び団結することを住民に強要するための宣伝、扇動に乗り出したと報じた。北朝鮮の朝鮮労働党機関紙、労働新聞(7月6日付)が「偉大な金正日同志を首班とする革命の首脳部を命で死守しよう」など金正日体制固守をうたった2つのスローガンを合成した写真を掲載するなどしたためだ。

 また、北朝鮮のナンバー2、金永南最高人民会議常任委員長が10日、金総書記の後継者問題について「現時点では論議されていない」と明らかにしたことから、北朝鮮内部で後継者論議が中断されたのかをめぐり、韓国内ではさまざまな観測が出ている。

 東亜日報は、海外メディアの報道を引用しながら、7月以降、金総書記の三男、正雲(ジョンウン)氏への継承問題が北朝鮮内部でほとんど言及されていないと伝えた。

 さらに韓国の北朝鮮情報のインターネット新聞「デイリーNK」が北朝鮮内部の消息筋の話として伝えたところによると、7月初めまで盛んだった「白頭の青年隊長、金正雲将軍が、社会主義強盛大国の建設を先頭で指揮している」という宣伝が今は完全になくなり、学校では行進や全校集会の際、正雲氏を称賛する歌「歩み」を歌わないように指示が下されたという。

 後継議論の“中断説”について、東亜日報は「金総書記が当分後継者問題を公に議論するなと指示を与えたのではないか。三男に対する“コネ作り”がひどくなり、内部の疎通と政策決定での混乱が表面化したことが直接的な原因の可能性が高い」「3代世襲に対する国内外の非難を避けようというのが最大の目的」などとする専門家の分析を掲載している。

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最終更新:9月12日16時44分

産経新聞

 

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