現 場 名 峠下部深礎工(15号)工事
発注機関 国土交通省 近畿地方整備局
主体業者 大容・姫野経常建設共同企業体
工事場所 大阪府柏原市峠地区
工事期間 平成18年5月より着手
工事概要 深礎杭(抑止杭)L=86.0m
土砂掘削工39.0m 土砂止水部掘削工23.5m
軟岩掘削工23.5m 中硬岩掘削工1.0m
鉄筋工211.25t コンクリート工2,754m3
その他、支保工組立・EV組立工 等
「亀の瀬地区地すべり対策工事とは」
生駒山地(奈良県)と金剛山地(大阪府)との間に流れる大和川の、大阪平野に流れ出る峡谷部の右側斜面に位置するのが『亀の瀬』です。亀の瀬では複雑な地層等により、昔から幾度と無く地すべりが発生し大きな被害がでておりました。昭和以降では昭和6~7年 昭和42年に地すべりが発生し、特に昭和6年は大規模な地すべりによって大和川の川底が約10mも隆起し、上流部の奈良盆地一帯に浸水被害をもたらしました。こういった数々の被害がきっかけで昭和37年より建設省(現国土交通省)直轄事業として【亀の瀬地すべり対策事業】が始まりました。

施工中の深礎杭
 |
 |
亀の瀬地すべり対策事業でのなかでも最も代表的なものが深礎杭による【抑止工】です。深礎杭は他の杭では対処できない大きなすべり力があるところにおいて採用されており、施工規模も大きく世界トップクラスと言われております。直径はφ3.5m~6.5mで杭長は100mに達する深さもあります。 このような長い巨大な杭を地上から掘り下げてすべり面下を貫き、場所打ちで鉄筋・コンクリート杭を築造し、杭の抵抗力によって地すべりを防止するものです。

(↑)写真にある鋼管杭工は、地すべり面が比較的浅く地すべり運動の力が小さい場所に用いられる工法であり、鋼鉄の杭を地表から地すべり面より下に打ち込み、その力で地すべり運動を抑えます。それに対し深礎杭は、地すべり面が深い位置にある場所や、すべりやすい土砂の量が多く地すべり運動の力が大きい場所など、鋼管杭では対応できない場合に用いられる工法です。
「現在の状況」
現在、峠下部深礎工(15号)の掘削工事は止水工(岩盤グラウト工)により一時中断しております。掘削深さは約60mまで到達しており、残りは岩盤部の掘削約26mとまだまだ工事は残っております。再開後も掘削作業が続きますが日々の安全意識を低下させることなく、無事故で工事を完了できるよう精一杯頑張ります。