▽「市内と同等」対応に
三次中央病院(三次市)は、三次市とつながりの深い島根県邑南町羽須美地域、美郷町大和地域の救急患者を市内患者と同等に受け入れることを江津邑智消防組合などに伝えた。受け入れを断るケースが一部にあり、島根側が改善を求めていた。
羽須美、大和地域からの救急搬送は、家族らの希望もあり三次中央病院を選ぶケースが全体の49%の計86件(2008年)に上る。ただ、消防の管轄内の救急病院に搬送するのが原則のため、三次中央病院の医師らが島根からの救急搬送をけげんに思うケースもあったという。
羽須美から町内の公立邑智病院に救急搬送したが重症で処置できず、引き返して三次中央に転送する事例も昨年1件起きた。今年7月からは邑智病院で常勤の外科医が不在に。これらを受け、同消防組合の森脇修身消防長や邑智病院の石原晋院長らが8月中旬、三次中央病院や市にスムーズな受け入れを要望していた。
三次中央病院の中西敏夫院長は「手術が重なった時などに受け入れを断るケースがあったかもしれない。広島県北の拠点病院として比較的多くの医師が集まる病院だけに、困っている地域は助けたい」と話し、既に医師や看護師らに方針を伝えたという。
邑智病院の石原院長は「医療圏の枠にとらわれず、柔軟に考えてもらえた」と歓迎している。 (馬場洋太)
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