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「韓国伝統文化を伝えることに誇りを感じる」(上)

ソウル徳寿宮を守る「守門将」

演じるのは市が交代式を委託したイベント業者社員

30度超す真夏でも厚着で「汗だく」

つらいが観光客の励ましにやりがいを感じる

 4日午前11時、徳寿宮(ソウル市中区貞洞)大漢門の前は、険しい顔をした男たちの集団に取り囲まれていた。いにしえの軍服姿に大きなやりの模造品を手にした男たちは、朝鮮時代の「王宮守門将交代式」を再現する守門軍だ。腕を組んで大漢門の前を通りかかったカップルは、彼らをチラリと見てひそひそ話をする。「あの人たち、バイト?」「いや、公益勤務要員(兵役の代わりに公的機関で働く要員)だろう」。人々が何と言おうと、守門将たちは微動だにせず、前方をにらみ続けるだけだ。

 徳寿宮前で王宮守門将交代式が初めて行われたのは1996年のこと。月曜日を除く毎日、1日3回(午前11時、午後2時、3時30分)ずつ13年間も行われているため、ソウル市民の多くが一度は目にしたことがある光景だ。人々の間で口コミで広がり、昨年だけで72万4000人が見学した。そのため、ソウルを紹介するガイドブックやパンフレットでも欠かせないコースになっている。

 しかし、伝統衣装を身にまとい、門を守る守門将役はどんな人たちなのだろうか。ときには付けひげまでして、炎天下で汗だくになりながら立ち続ける彼らについては、あまりよく知られていない。「バイトだ」「公益勤務要員だ」「戦闘警察隊員(機動隊員)や義務警察官(兵役の代わりに警察に勤務する警察官)だ」など、さまざまな説が飛び交っている。彼らの正体は、ソウル市が守門将交代式を委託したイベント専門業者の社員たちだ。

6日午後、ソウル市庁西小門別館内の控え室で準備をする、「守門将交代式」の出演者たち。/写真=チョン・ギビョン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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