中日スポーツ、東京中日スポーツのニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 中日スポーツ > 格闘技 > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【格闘技】

破壊王Jr.涙のリングデビュー ゼロワン後楽園大会

2009年9月22日 紙面から

 05年7月に40歳で急死した橋本真也さんの長男で高校生の大地(17)がリングデビューした。父親のデビュー25周年記念大会にちなみ、エキシビションマッチに登場。2年前に引退した伝説のキックボクサー小林聡(37)を相手に、2回2分のキックボクシングルールで闘った。大地はダウンを奪われたが、破壊王魂で最後まで戦い抜いた。試合後は、父親の偉大さを感じて号泣し、プロレスデビューを目指すことを誓った。

 「橋本コール」「大地コール」を浴びて戦い抜いた大地に、ゼロワン社長の大谷晋二郎が問い掛けた。「これがお父さんが、毎日、毎日、生きて闘っていた場所だ! 何か感じたか!」。この言葉を聞いた瞬間、大地は号泣した。

 亡き父親の名前がついた興行。その記念すべきイベントに、自ら手を挙げてリングに足を踏み入れた。父の入場曲「爆勝宣言」を、作曲した鈴木修氏の生演奏で入場。父を意識したのか、顔の前で手をクロスさせてからリングイン。会場のファンも橋本再来を思い起こすように大興奮。大歓声がわき起こった。

 だが、戦いは厳しかった。エキシビションだが「体が思うように動かなかった」。空手をやっているとはいえ、まだ高校生。小林にまったく歯が立たない。1回に強烈な左ボディーを浴びてダウン。2回にも左右のフックでマットにひざをついた。

 プロの厳しさを痛感したリングデビュー。「お父さんのリングでこんな試合しかできない自分が悔しい。やっぱり、お父さんはすごい。足元にも及ばない」と、あらためて父親の偉大さを知った。今後はゼロワンの巡業に参加して修業し、正式にプロレスラーを目指す。「お父さんみたいになれるか分からないけど、人を引っ張る人になりたい」。橋本ジュニアの険しい道がスタートした。 (石川晴信)

 

この記事を印刷する

中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ