30日投開票された第45回衆院選は、民主党が単独で過半数(241議席)を大きく上回る308議席を獲得し、政権党の座を自民、公明両党から奪取する「政権交代選挙」となった。民主党候補の小選挙区得票数の合計は前回05年を867万票上回る3348万票で、現憲法下で行われた衆院選の一政党の得票数として過去最多を記録。これまでの最多は05年の自民党の3252万票だった。民主党は比例代表でも全国11ブロックの合計で前回から1.4倍増の計2984万票を集め、過去最多を更新。記録ずくめの勝利となった。
小選挙区の有効投票総数は7058万票で、得票率は民主党が47.4%、自民党が38.7%。自民党が圧勝した前回は自民党47.8%、民主党36.4%だったが、4年の時を経て一気に逆転した。比例代表の得票数も民主党が前回比880万票増の2984万票、自民党は同708万票減の1881万票となり、前回、自民党を支持した有権者が大挙して民主党に乗り換えたことがうかがえる。
民主党が初めて挑んだ96年衆院選(当時は旧民主党)の得票数は小選挙区600万票、比例代表895万票だった。同党は00年、03年と段階的に票を伸ばし、大敗を喫した前回も小選挙区では同党の過去最多得票(2480万票)を記録した。結党13年で得票数を小選挙区で6倍、比例代表で3倍に伸ばし、念願の政権交代を果たした。
また、比例代表で民主党の当選枠の数が立候補者数を上回るなど計4議席が他の党に割り振られる事態となった。比例代表の近畿ブロックで、民主党は得票数では13議席を獲得するはずだったが、比例代表に重複立候補している小選挙区候補44人のうち3人しか落選せず、比例単独候補8人と合わせても候補者が2人不足する事態になった。そのため2議席が自民党と公明党に配分され、大阪14区で落選した自民党の谷畑孝氏と、公明党の比例名簿5位の赤松正雄氏が当選となった。
みんなの党も東海、近畿両ブロックで1議席ずつ獲得できる得票に達したが、比例名簿に登載された候補者が重複立候補した小選挙区で得票率10%に届かず、公職選挙法の規定により復活当選できなかった。そのため、東海の1議席は民主党の比例名簿41位の磯谷香代子氏に、近畿の1議席は兵庫5区で落選した自民党の谷公一氏に割り振られた。【横田愛】
毎日新聞 2009年8月31日 12時23分(最終更新 8月31日 13時02分)