稀勢の里をすくい投げで下した白鵬=両国国技館
「大相撲秋場所9日目」(21日、両国国技館)
横綱白鵬が関脇稀勢の里をすくい投げで下し、勝ち越しを決めた。横綱在位で180勝目(24敗)を飾り双葉山の横綱在位17場所での通算勝敗と全く同じとなり、昭和以降の横綱最高勝率を記録した。横綱朝青龍は大関千代大海を寄り切って初日から9連勝とし、単独首位を守った。
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尊敬する『角聖』と肩を並べた。稀勢の里をすくい投げで下した白鵬が、横綱に昇進した2年前の名古屋場所から通算204番に達し、180個目の白星。双葉山の横綱出場回数、勝ち星と同数で、最高勝率にもなった。
“記念星”をマークしたことを知らされると「『平成の双葉山』だね。自分で言っちゃった」と大はしゃぎ。双葉山を「目標の大横綱」として常々口にしているだけに、「うれしいね。偶然だね」と興奮を抑えきれない様子だった。
ただ、喜んでばかりもいられない。痛めている左ひじは、日に日に悪化している。この日も左上手を奪えず、土俵際まで追い詰められた。逆転の右すくい投げで勝ちを拾ったものの、本来の相撲とは程遠い。終盤戦へ向け不安は残るが、本人は「(左ひじは)気になりません」と言い切った。
優勝すれば12回目で、これも双葉山の記録に並ぶ。「今場所で並びたいですよね?」との声に、笑顔で力強くうなずいた。
(2009年9月22日)