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出産直前に発症、新生児は別室 新型インフルで対応策

2009年9月22日5時4分

 新型の豚インフルエンザについて、日本小児科学会(会長=横田俊平・横浜市立大教授)は、新生児に対する治療戦略をまとめた。出産7日前から出産までに母親にインフルの症状があった場合、出産後はすぐ母子を別室にし、搾乳して母乳を与えるよう推奨している。発症した母子と接触した別の新生児で特に必要な場合は抗ウイルス薬タミフルの予防投与も考慮できるとした。

 子どもでも1歳以下、とりわけ生後6カ月以下は重症化の恐れが大きいとされる。治療戦略は小児科学会が日本産科婦人科学会、日本産婦人科医会とも協議してつくった。母親に感染の疑いがある場合は出産後すぐに新生児に感染させないよう離して対応することを大前提にしている。

 新生児がすでに感染している可能性を考え、個室に入れる。個室にできない場合、保育器に入れる。保育器がなければ他児と1.5メートル以上の十分な距離をとるとしている。

 母乳から感染することはないが、直接授乳すると、その際の母親との接触で乳児にうつる恐れがある。このため、母乳を搾り、第三者が与えるよう推奨している。

 発症した母親や母親から感染した新生児に、ほかの新生児が接触してしまった場合は、その子の親にインフォームド・コンセント(十分な説明と同意)のうえでタミフルの予防投与を考慮できるとした。新生児に症状がある場合、感染の有無を見極めたうえでタミフルを投与することにした。タミフルの副作用は主に嘔吐(おうと)と下痢だが、新生児のデータはないという。

 新生児の治療戦略は小児科学会のウェブサイト(http://www.jpeds.or.jp/)で近く公開される。(大岩ゆり)

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