2009-09-22 08:01:53 gataro-cloneの投稿

<名乗れなかった水俣病/不知火海大検診を前に(中)>父の病気を家族で隠す【しんぶん赤旗】

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<名乗れなかった水俣病/不知火海大検診を前に(中)>父の病気を家族で隠す
2009.09.15 日刊紙 3頁 総合 (全941字) 


 不知火海(八代海)を挟んで熊本県水俣市の北西に位置する天草諸島の樋島(上天草市)。水俣病認定申請の指定地域には入っていない同島でも、多くの人が水俣市内と同じように手足や全身の感覚障害・しびれ、耳鳴り、めまいなどの症状に苦しんでいます。

 ゆっくり眠れん

 「夜中、寝ているとからす曲がり(こむら返り)するようになった」 「歳だけん」 島ではこんな会話が普通に交わされてきたといいます。被害者はふくらはぎや脇から胸にかけての筋肉が伸びをした瞬間に固くなり深夜にマッサージをして痛みを和らげる日々です。

 川原信貴さん(70)=仮名=は「寝とって悪いし、天気が悪くても悪い。夜もゆっくり眠れない生活を考えられますか」と表情を曇らせます。子どものころから親の漁を手伝ってきました。朝、昼、晩の食事のおかずはすべて魚。貧しく米がないなかで、魚介類で腹を膨らませてきました。

 手足がしびれるなどの症状が出てきたのは20代のころ。手のしびれで、はしを落としても、ごまかして、周りの人に気付かれないように気を使ってきました。若いころは体力でカバーできましたが、今では思うようにいきません。

 「誰が見ても水俣病の症状で父親は亡くなった。よだれを口から流し、体の半分が動かなかったり…。でも当時は名乗り出ることはできんかった」。佐々木敏夫さん(68)=仮名=は家族で父親の病気を隠してきました。

 「水俣病って言ったら、結婚もできんし、仕事も雇ってもらえなくなる」という思いでした。漁村で魚が売れなくなれば地域に住めなくなるという状況もありました。大黒柱の父親を失った家族は、貧しい生活を強いられますが、それでも名乗り出ることはできませんでした。

 自分の体に異常

 しかし、体の異常は自分にも襲いかかりました。「漁でテグスを引いていても、気付かずに手から外れていることがある。自転車も手がしびれるから、片手ずつでハンドルを握らんといかん」。佐々木さんは一家がこれまでさんざん苦しめられ、さらに追い打ちをかけられる状況に怒りを口にしました。

 川原さんや佐々木さんは今年7月、国・熊本県、チッソに水俣病被害に対する損害賠償を求めている「ノーモア・ミナマタ訴訟」第16陣追加提訴に、仲間とともに加わりました。

 (つづく)

しんぶん赤旗






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