全精社協:「裏献金数百万円」元幹部ら証言…前議員は否定

2009年9月22日 2時30分

 社会福祉法人「全国精神障害者社会復帰施設協会」(全精社協、東京都)の元幹部や元会計担当職員らが、07年度に現金数百万円以上を自民党の前衆院議員側に「裏献金」したと、毎日新聞の取材に証言した。元幹部らは、個人口座を経由した出金方法や金額なども説明した。これに対し、前議員は取材に元幹部らが事務所を訪れたことは認めたものの、裏献金については「ない」と完全否定している。

 全精社協は06~08年度、厚生労働省から補助金を受給していたため、政治資金規正法で当時、政治献金が禁止されていた。

 元幹部らの証言によると、裏献金は全精社協の金を経理操作して元職員の個人口座にいったん入金し、献金する際に数回に分けて出金。金は、議員会館に元幹部らが出向き、前議員側に直接渡したといい、金額は一度に数百万円に上る時もあったという。

 当時は全精社協が障害者支援施設「ハートピアきつれ川」(栃木県さくら市)の買い取りに向けて動いていた時期だった。元職員は「現金を口座から下ろし、議員側に渡した。ハートピアをお願いしますと伝えた」と話し、元幹部も「別の幹部が元議員の秘書に裏献金を渡していた」と明かした。

 別の元幹部も「ハートピアの買い取りが政治力で可能になったと聞いた」と証言した。

 全精社協では数千万円の使途不明金が既に発覚しており、ハートピア買い取りでは政界などへの工作資金に使われた疑いが持たれている。

 前議員は厚労行政に詳しい立場だった。ハートピアについては「どこが運営しているかも知らないし、(全精社協から)相談も受けていない」と話している。

文字サイズ変更
この記事を印刷

PR情報

 

おすすめ情報

注目ブランド