2009年9月21日 21時37分
前原誠司・国土交通相は21日、八ッ場(やんば)ダム(群馬県)の建設を巡る地元住民との意見交換会を前に、「中止の方向性は変更がない」との文書を高山欣也・長野原、茂木伸一・東吾妻の両町長に送り、中止を前提に臨む考えを伝えた。これを受け、地元住民らで作る八ッ場ダム水没関係5地区連合対策委員会は意見交換会に出席しないことを決めた。
文書で前原国交相は中止を明言したうえで「地元の合意形成が不可欠で、じっくり話し合いをする姿勢を堅持し、理解を得るまでは、八ッ場ダム建設事業の法定計画廃止手続きは始めない」とした。
意見交換会は23日に予定され、両町長は19日付で「中止については白紙の状態でお願いする」とする要望書を国交相に送付していた。高山町長は欠席について「住民と意見交換したという実績づくりには協力できない」としている。
一方、前原国交相は21日、国交省で開かれた政務三役会議後、建設中止を明言した川辺川ダム(熊本県)について、26日に現地視察する考えを明らかにした。【石原聖、奥山はるな】