和田洋一 スクウェア・エニックス・ホールディングス社長――傲慢さと使命感でエンタメ業界の世界メジャーを狙う(2) - 09/09/07 | 11:15


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 任天堂はハードの特性に合ったソフトを一体で出せましたが、他のパブリッシャーには、どこがどう変わったのか、開発者の腹に落ちて理解するまでに時間がかかった。今回のドラクエの特徴も、DSが出て1〜2年程度だったら出せなかったでしょう。ハードの理解もさることながら、お客さんがどのように遊んでいるかを見ないと、ソフトのアイデアは湧きません。 

――ドラクエ、FFの二枚看板に続くタイトルは何でしょうか。

 「キングダムハーツ」は過去6〜7年で累計1200万本と、一つの柱になった。ただそれに続くものは見えていません。ひたすら本数を撃ち続けるしかないと思っています。

 その点、出版は非常に成績がいい。漫画雑誌から「鋼の錬金術師」「黒執事」など毎年ヒットが出ていて、テレビアニメ化されコミック本も売れる、という好循環になっています。

――以前からM&Aには積極的ですが、今年4月に英国の中堅ソフト会社アイドスを買収した狙いは。

 エンタメはグローバルなビジネスです。市場の成長余地は海外のほうが圧倒的に大きく、仮に市場が伸びなくても、当社の海外でのシェアは小さいので、伸ばす余地は高い。世界で売れるタイトルの開発力を増強するため、昨年から手始めに海外の開発会社への発注というルートも始めました。しかし、それだけでは踏み込み不足となりかねないので、アイドスを買収したわけです。

 アイドスは欧米・アジアに複数のスタジオを持ち、開発能力が非常に高い。加えて、「トゥームレイダー」など彼らのタイトルはすべて自社IP(知的財産)です。権利処理への障害のない自社IPを基にコンテンツを多面展開するのが当社の基本戦略ですので、シナジーが大きい。

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