花王は16日、特定保健用食品「エコナ」シリーズの関連全商品について、17日から出荷・販売を停止すると発表した。商品に含まれる「グリシドール脂肪酸エステル」という物質が発がん性物質に変化する可能性があるため。出荷・販売が停止されるのは食用油「エコナクッキングオイル」や同シリーズのマヨネーズ、ドレッシングオイルなど59商品。
「グリシドール脂肪酸エステル」は発がん性のある「グリシドール」に分解される危険性が欧州で指摘され、日本でも食品安全委員会が調査中。花王は「安全性に問題はないとみているが、消費者の意識も考慮し販売を自粛する」と説明している。
花王によると、6月にエコナクッキングオイルを自主検査したところ「グリシドール脂肪酸エステル」などが通常の食用油の最大182倍含まれていることが分かった。製造時の脱臭工程で副次的に生成されたのが原因という。「グリシドール脂肪酸エステル」の含有率を減らし、10年2月の販売再開を目指す。
花王は消費者からの返品にも応じる。問い合わせは同社消費者相談室0120・501・243。【高橋昌紀】
毎日新聞 2009年9月17日 東京朝刊