陸自隊員の個人情報流出 悪用した不動産会社の正体は?
2009/9/12 16:57写真を拡大
入手した陸自隊員の個人情報を元にアタックしていた不動産会社「ジー・エス・シー」(写真:夕刊フジ)
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同地検によると、逮捕された不動産会社「ジー・エス・シー」代表取締役の佐藤文彦容疑者(39)、取締役の倉永健一郎容疑者(38)らは2008年11月下旬、自衛隊鹿児島地方協力本部の1等陸尉、徳永安成容疑者(46)=同容疑で逮捕=に接触。全陸自隊員14万人分の個人情報をCDロムに複製して提供するよう持ちかけ、倉永容疑者に郵送させた疑い。2人は「積極的に提供は働きかけていない」などと話しているという。両者の接点は不明だ。
民間の信用調査会社によると、ジー・エス・シーは05年設立。06年3月期の売り上げは7億2000円程度だったが、07年3月には5倍近い約33億円に急増した。「EL VIENT EARTH(エル・ヴィエント・アース)」というブランド名で首都圏に不動産投資用の大型ワンルームマンションを15棟展開。家賃収入をうたい文句に会社員や公務員相手のマンション販売を行っていた。
そんな同社が陸自隊員に目を付けたのはなぜか。同業他社の幹部は実態を次のように語る。
「家賃収入によるマンション投資の実質利回りは平均5−6%。たとえば自己資金500万円で2000万円の物件を購入し、10年ローンを組んだ場合、月々の支払いは約15万円ですが、賃料8万円でこれを貸すと、家賃収入が年間約100万円になります。25年程度で全投資分を回収できるため、退職金や年金が安定している公務員、とくに幹部自衛官などは格好の売り込み先と考えたのでしょう」
駅に近いワンルームは空室率が低い、管理業務は一括して代行するのでトラブルもない−といううたい文句も、不動産投資にうとい人たちには魅力的に響く。実際、この幹部の会社が展開するマンションのオーナーの4割は、これまで不動産経営とは無縁だった人たちだという。
「ただ、実際には空室リスクや建物の老朽化、家賃の下落などの変化要因があり、シミュレーション通りに回収できるとはかぎらない。しかし、世情にうとい自衛隊員ならセールスに飛びつくと考えたのではないでしょうか」(同)
売り上げを伸ばしていたジー・エス・シーだが、約30人の社員のうち逮捕された2人以外はすべて営業社員というのが実情だった。夕刊フジの電話取材に応じた社員は「広報も総務も経理もいない。すべて逮捕された2人が仕切っていて、何も分からない状態です。顧問弁護士の名前も知らず、泣きたいですよ」と悲鳴を上げていた。
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