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「こんなに早く」ラスカー賞受賞の山中教授

9月14日20時15分配信 産経新聞

 世界を驚かせたマウスでの人工多能性幹細胞(iPS細胞)作製から約3年。「ノーベル賞に最も近い賞」とされるラスカー賞を山中伸弥・京都大学教授(47)が早くも受賞した。

 14日に京都市左京区の京大で開かれた記者会見で「30年後、40年後にはあるかもしれないと思っていたが、こんなに早く受賞できるとは」と驚きを語った。

 一方、同席した京大の松本紘(ひろし)総長も「ノーベル賞は近いと思う」と話すなど、10月のノーベル賞発表に向け、周囲の期待は高まっている。

 「米国で研究した経験があるので、この賞の重さはわかっている。『まさか自分が』という思い」

 会見で山中教授は、時折笑顔をのぞかせつつ終始冷静に心情を語った。「何百人もの研究成果を基礎として利用させてもらっていて、その中で私だけが受賞するのはフェアではないという思いもある。今後もそういう気持ちを忘れずにいたい」と謙虚な姿勢をみせた。

 共同受賞したジョン・ガードン英ケンブリッジ大名誉教授(76)とは、年に1〜2度は会っているといい、「年は親子ほど離れているが、アクティブに研究を続けられていて尊敬している。(共同受賞は)格別の思い」。一方で、念願の実用化に向け「患者のために役立てることが目的。それには全然いたっていないので、何とか早く達成したい」と表情を引き締めた。

 今回の受賞で、ノーベル賞への期待が一層高まった。松本総長は、ラスカー賞受賞について「その道の先駆者としての地位を明確に表明していただいたと誇りに思っている」とし、「ノーベル賞に十分値する研究で、実現に近づいた」と話した。

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最終更新:9月14日20時15分

産経新聞

 

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