中日スポーツ、東京中日スポーツのニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 中日スポーツ > 大相撲 > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【大相撲】

朝青 決まり手”けり出し”

2009年9月20日 紙面から

朝青龍(左)が送り出しで玉乃島を下す=両国国技館で

写真

 横綱朝青龍(28)=高砂部屋=が玉乃島を送り出し、全勝を守った。大関琴光喜(33)=佐渡ケ嶽部屋=も豊ノ島を寄り倒し、7連勝。琴欧洲(26)=同=は鶴竜に取ったりで敗れ、初黒星を喫した。全勝の朝青龍、琴光喜を1敗の白鵬、琴欧洲、鶴竜が追う展開となった。

◆本人は完全否定

 玉乃島の背後に回り込む。この時点で朝青龍の7連勝は確実なものとなっていた。だが、そんな状況でもタダでは勝たないのが横綱だ。

 内側側副靱帯(じんたい)の損傷で全治4週間の診断を受けている右ひざで、玉乃島のお尻をけり上げたのだ。

 テーピングをグルグル巻きにした右ひざの一撃で玉乃島を土俵外に出した横綱は、「けったんじゃないと思うよ。重いから。腰を使った」と完全否定したが、送り出しというよりも“送りけり出し”。

 武蔵川理事長(元横綱三重ノ海)は「ひざげりということはない。けるというか流れ。攻めているときの流れだ」と苦笑い。放駒審判部長は(元大関魁傑)も「ひざは上がってたけど、故意にけりにいったとは見えなかった。動きの中で当たっている感じ。禁じ手とは違う」と説明したがファンは納得しなかった。

◆抗議電話が50件

 取組後は相撲協会の電話が鳴りっぱなし。抗議の電話が殺到した。関係者は「30件から50件くらいきた。けってるじゃないかとか、反則じゃないかとか」と対応に大わらわ。場所後の横審でも注文をつけられる可能性もある。

 朝青龍といえばその気性の激しさから、勝負がついた後で稀勢の里にひざげりしたり、ダメ押しはざら。今回はダメ押しではないが、玉乃島には4年前の初場所、左フックで“KO勝ち”したこともある。

 朝青龍いわく「(ひざが)前に出ないから」と出そうとした足が出なくてけりのように上がったんだと話したが、「おまえらまた面白おかしく書くんやろ!」。ばつの悪さは感じているようだった。 (岸本隆)

 

この記事を印刷する


中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ