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タイのクーデターから3年、タクシン派なお健在

9月20日13時6分配信 読売新聞

タイのクーデターから3年、タクシン派なお健在
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バンコクの国会近くで、大規模集会を開くタクシン氏支持者ら(尾崎孝撮影)
 【バンコク=田原徳容】タイのタクシン元首相を放逐した軍事クーデターから3年となる19日、タクシン派勢力「反独裁民主戦線(UDD)」と支持者ら約2万人が、首都バンコクでアピシット政権退陣を求める大規模集会を開いた。

 国外逃亡中のタクシン氏は、復権を視野に今も隠然たる影響力を誇示。タクシン派と反タクシン派の対立は深まる一方で、政情不安解消の兆しは見えない。

 政府は、4月にUDDのデモが暴徒化し、125人が死傷したことを受け、軍の有事出動を認める国内治安法を集会場所に適用。警察官や兵士7300人を配備した。

 集会では、UDD幹部が「クーデターから3年、民主主義は失われたままだ」と述べ、タクシン氏の復権を訴えた。タクシン氏自身も同日夜、ビデオメッセージで「私がいなくなって国情は悪化するばかりだ」と述べた。

 タクシン氏は、クーデターで失脚後、自派政党の解党、公民権停止、資産凍結、汚職事件での実刑判決などで追い込まれ、4月のデモではUDDを扇動した「戦犯」として逮捕状が出されるなど復権は厳しい状態にある。

 だが、タクシン氏のバラマキ政策で恩恵を受けた農民などのタクシン支持は根強い。現政権が経済政策で成果を出せない中、経済通のタクシン氏は見直され、世論調査ではアピシット首相の支持率を上回った。

 軍や官僚などクーデターを支持した旧支配勢力を後ろ盾とする現政権は、UDDの活動を妨害、タクシン氏の影響力排除に必死だ。チュラロンコン大学のチャイワット・カムチョー教授は「両派の対立を静める妙案は見当たらない」としている。

最終更新:9月20日13時6分

読売新聞

 

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