この夏に「核軍縮」の方向性を明言したアメリカのオバマ大統領が、ロシアとの間で厳しく対立していた「MD東欧配備」計画を「見直す」と表明した。ブッシュ政権(ネオコン)時代の「戦争ギャンブルビジネス」との決別が一層明確になったと言えよう。

 ゲーツ国防長官は、MD東欧配備計画を事実上「撤回」する表向きの理由として、配備の目的であった「イランの核軍備」の脅威が、調査の結果「MDで対抗するほどのものではない」と判断されたのだ、と説明している。

 「軍備の目的」なんて、いくらでも後付けコジツケできる。同様に、「軍縮の目的」も、本当のところは、要するに「カネ」ではないだろうか。「軍拡」も「軍縮」も、しょせんは【経済の奴隷】であろう。

 かねて私が書いているとおり、「ミサイル防衛システム」というのは納税者である国民にとっては「役立たず」「金喰い虫」のシロモノである。さっさと決別すべきであったが、軍備でカネ儲けしている悪徳資本家たちが政治家やメディアを操って、「国家の敵」を仕立て上げ、「不信」と「憎悪」を煽って、「戦争はなくならない」「軍隊は必要悪だ」といった「常識」を人々に植え付けてきていた。

 ようやく、そんな【洗脳】から世界が解き放たれる可能性が見えてきた。日本も60年ぶりに、【敗戦国】の卑屈さから解き放たれる可能性が見えてきたところだ。

 やっとこのたび実現した【政権交代】による新内閣の政策や運営について、後ろ向きに「アラ探し」をするよりも、長年の「おまかせ民主主義」に決別し、世直しに伴う【前向きの混乱】を政治家たちと共に楽しむくらいのココロの余裕を持ちたい。