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JCO臨界事故:まもなく10年 反原発団体が集会--東海村 /茨城

 ◇「効率優先改めよ」

 東海村の核燃料加工会社「ジェー・シー・オー(JCO)」で起きた臨界事故から今月30日で10年になるのを前に、事故の意味を考える集会が19日、同村の東海文化センターで開かれ、約400人が集まった。シンポジウムでは、「経済効率第一主義が守るべき安全を切り崩した」とする事故の本質が語られ、「教訓を生かし、放射能の出ないエネルギーを推進する」などのアピール文を採択した。

 原水爆禁止日本国民会議など4団体主催。JCOの臨界事故は99年、ウラン燃料の再転換作業中に起き、約20時間にわたり臨界状態が継続。作業にあたった同社従業員2人が亡くなり、周辺住民ら600人以上が被ばくする原子力開発史上最悪の事故と言われた。

 シンポジウムでは、事故当時取材にあたったNHK放送文化研究所の七沢潔さんが事故の背景を解説。事故の要因として効率主義のほか、「発注者による不規則な要求でJCOの安全管理体制が崩れた」と指摘。「事故は普遍的なもので、そこから学ばずして原子力を安全にコントロールする『社会力』は身に付かない」と訴えた。

 また、「脱原発」を訴える相沢一正村議は、13日に投開票された村長選に触れ、「原子力推進について慎重の上に慎重を重ねる立場の村長が信任されたのは、村にとって大事な結果だと考える」と振り返った。

 事故で健康被害を受けたとして、JCOなどを相手取った損害賠償訴訟を係争中の大泉昭一さんは、今後も法廷闘争を続ける決意を表明。NPO原子力資料情報室の伴英幸さんは、原発の定期検査の間隔延長など設備利用率を上げるための国の施策に触れ、「事故後も(原子力産業の)経済性追求は一層加速している」と語った。

 参加者はその後、村内をデモ行進し、国の原子力政策の転換を訴えた。【高橋慶浩】

毎日新聞 2009年9月20日 地方版

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