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第1回
メイド喫茶においてどこまでのサービスをすることができるの?

第2回
YouTubeの法的な責任とその限界 その1 その2

第3回
ブランド名のタイトル利用はOKか?
 N・H・Kにようこその場合/
 マクロス事件の例


第4回
 コスプレ衣装制作と法律/
 コスプレイヤーになることと法律

 コスプレ衣装販売と法律 

第5回
 パブリックドメインって何? 

第6回
 声優の権利

[1]
ちなみにどうでもいい話ではありますが、今個人的ないち押しは明坂聡美さん。
「ギャラクシーエンジェる〜ん」や「錬金3級 まじかる?ぽかーん」等に出演され、個人的に大絶賛されております。
誰かお仲間はいませんか?笑
   
[2]
厳密にいうと、実演家は著作権法上著作権者ではありません。
アニメに関しては
著作権により保護されるのはアニメ自体、その中で用いられる音楽や台本であって、台本を元に熱演される「声」自体は著作物としては扱われないのです。
ただ、著作物じゃないとしても、その「声」がまったく保護されないわけではなく、著作物と同様の保護を与えるために、著作隣接権というものが設けられ、特別に著作権法により保護され
ることになります。
[3]
著作権法第2条第1項第4号

[4]
著作権法第91条第1項、厳密には、テレビ放送用アニメでの権利と映画用アニメ(またはDVD等で販売されるアニメ)の権利とで適用される条文が異なり、認められる権利も異なりますが、現状テレビ放送用アニメの中でDVD等で別途販売されることが予定されていないアニメは非常に少ないため、以下同様に取り扱います。

[5]
著作権法第92条第1項

[6]
著作権法第92条の2第1項

[7]
著作権法第91条第2項、第92条第2項及び第92条の2第2項

[8]
東京地裁平成15年11月6日、東京高裁平成16年8月25日、最高裁判所平成17年6月28日




[9]
Midler v. Ford Motor Co., 549 F. 2d 460 (9th Cir. 1988)

[10]
この点に関連して補足(蛇足)です。多くの方が認識されているような「殴ったね、親にも殴られたことがないのに」や「まだだ、まだ終わらんよ」などの代表的なセリフについてですが、これらの名台詞については、非常に一般的な内容であること、そして、そのセリフを喋る声自体が非常に特徴的ということもなくどこまでが「似た声」と判断しうるかについて境界を確定しづらいことから、類似した声でこれらの名セリフを喋ったとしても、声優のパブリシティにタダ乗りしたと判断することは難しく、したがって裁判所が直ちにパブリシティ権の侵害を認定する可能性は低いと言わざるをえません。。。「はい、タケコプター!」のような印象的なセリフの方がパブリシティ権により保護される可能性は高いでしょう。

[11]
著作権法第90条の3

[12]
ただし、公正な慣行に反しない場合には問題ありません。著作権法第90条の3第2項

[13]
とはいっても、アニメのキャラクターはアニメーター(原画・動画共)と声優とが一体となって作りあげていくもので、これらを切り離して考えることは困難です。したがって、そのキャラクターについて共同著作物的な捉え方をすれば異なる結論を導きうる可能性もあるのではないかとも考えられますが、、、この点については今後の議論の進展に期待したいものです。