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仙台・青葉通 ケヤキ3本植え替えへ 空洞化、腐朽進む
 | 幹の腐朽などで、植え替えが必要と判断された青葉通のケヤキ=仙台市青葉区大町1丁目 |
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仙台市青葉区の定禅寺通のケヤキ1本が8月24日に根元から折れて車道に倒れた問題で、市は8日、定禅寺通と青葉通(青葉区)のケヤキ計15本の樹勢が弱り、うち青葉通の3本は撤去、植え替えの必要があるとの調査結果を発表した。残る12本は腐った部分の切除や防腐剤を塗るなどの養生措置を施し、経過を観察する。
目視や木づちによる1次調査(8月26、27日)で、青葉通の8本、定禅寺通の5本に異常が見られた。既に養生措置が取られていた2本を加えた計15本について、音波などの診断機器で内部の状況を詳しく調べた結果、いずれも樹勢の衰えが確認された。
撤去を決めた3本のケヤキの位置は図の通り。いずれも樹齢65〜100年の古木で、高さ12〜14メートル、幹の周囲1.9〜2.2メートル。1本は内部の30%以上が空洞化し、残る2本は幹の半周近くが腐朽した状態と診断された。 市は10月中に3本を撤去する。年内に樹齢20年ほどの代替木を選定し、来年2〜3月に植え替え作業を実施する予定だ。
青葉区の青田茂雄建設部長は「青葉通は植栽の時期が古いため、傷みがひどかったのではないか。倒木の危険性は低いが、安全確保の観点から撤去を決めた」と説明した。
市はケヤキなど街路樹の定期点検の在り方を再検討中で、公園課は「年度中に調査の回数や方法、点検対象木の基準など見直し案をまとめたい」との考えを示した。
◎倒木の原因はキノコの侵食
仙台市青葉区の定禅寺通のケヤキが倒れたのは、「ベッコウタケ」というキノコによる侵食が原因だったことが市の調査で分かった。
市によると、倒れたケヤキの根元約30センチ四方にベッコウタケが数個、付着していた。直径70センチの木内部は空洞化し、外側の厚さ5センチほどを残してほぼ朽ちていたという。
ベッコウタケは広葉樹の根元に発生する。傘が半円形に開き、1年間の成長が終わるとコルク化して灰褐色になる。傷などから菌が侵入し、根株の心材を腐朽させるため、街路樹などで問題となっている。
倒木を受けた青葉通、定禅寺通のケヤキ344本の調査では、ベッコウタケによる腐朽は確認されなかった。これまでケヤキに付着したことはあったが、大きな被害は見られなかったという。 青葉区建設部は「コルク化すると樹木と同化して、見分けがつかなくなる。今後の調査では慎重に見る必要があると認識した」と話している。
2009年09月09日水曜日
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