今回は、「中古になっても値崩れしにくい街」について紹介。前回の「賃貸にまわした場合の収益性がよい街」とも違う指標だ。その顔ぶれは異なるので、ひとことで「資産価値」といっても、「売るのに向いている」「貸すのに向いている」街があるようだ。
■ アドバイスしてくれた人
プロフィル
マンションをはじめ、不動産全般の市況を調査・分析する不動産専門の情報サービス会社「東京カンテイ」の市場調査部上席主任研究員。市況レポート「kantei eye」の編集長でもあり、「資産価値」のエキスパートとして、各メディアにひっぱりだこ
東京カンテイホームページ→http://www.kantei.ne.jp/
「中古になっても値下がりしにくいか」という指標=PBR
今回は、「マンションPER」と同時に発表された「マンションPBR(資産倍率)」について。これは、一定期間内に分譲されたマンションが、中古になったとき新築時の何倍になったかを示したもの(中古マンション価格÷新築マンション価格)。例えば「PBR=0.92」なら、8%の資産価値減少にとどまっているというわけだ。また、1を上回れば新築時よりも価格が上昇している計算に。いわゆる「中古になっても資産価値が下がらない」エリアといえる。つまり、前回のPER(収益力)が「貸しやすさ」としたら、このPBR(資産倍率)は「売りやすさ」の指標というわけだ。
今回のデータは1999年~2008年の10年間に分譲された新築マンションで集計されている。「ちなみにこの時代は比較的分譲価格が安かった時期なので、PBR値が1を上回る(中古の平均価格が新築を上回る)駅が、全体の19.3%と、前年よりも増えています」(中山さん)
実際に、シングル&DINKS向けマンションを見てみる
収益力(PER)×資産倍率(PBR)で4タイプ 「売る」向きか「貸す」向きか
同じ「資産価値が高い」でも、「収益性が高い」タイプか、「中古になっても値下がりしにくい」タイプか分類できる。例えば、Aタイプ「資産倍率も収益力も良い駅」は、売却しても貸しても高い利益を生み出すまさに王道な駅。詳細を見ても、都心エリアが並ぶ。Bタイプは「収益性は良くないが、資産倍率が良い駅」は、東京南部や西部の閑静な住宅街として人気の高い駅が多い。分譲価格がそもそも高いので収益性はやや劣るものの、ブランド力が高く中古になっても値崩れしにくいエリアなのだ。つまり「売る」のに向いている街。Cタイプは「資産倍率は良くないが、収益性が良い駅」で、主に千葉県の郊外エリアが多い。70m2で3000万円未満ともともと分譲価格が安いが、そこそこ安定した賃料が得られる「貸す」のに向いている街といえる。
同じ「資産価値」でも「値下がりしにくさ」と「利回りがいい」とでは
傾向が異なるようだ
※データ出典:東京カンテイ
