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ゲインを少なめに! |
2004.6.18 |
先日、ギターな日々で、「歪みませ過ぎないで弾くのがカッコイイ」、なるネタを書いた。これは言葉を変えると、
「歪ませ過ぎて弾く奴にろくな奴はいない」 80年代、ヘヴィメタルブームがやってきた。その頃のオレのセッティングは、レスポールをオーバードライブとイコライザーでブーストし、フェンダーツインリバーブ(スタジオやライブ時)をフルゲインに近い状態で歪ませた音で弾いていた。 音的に言えばそうだなぁ、イコライザーでマイケル・シェンカーの音に似たような音を作っていた記憶がある。その後すぐにワウワウを買い、まんまマイケルの音で弾いていた時期が長い。 ところがゲイリー・ムーアーに傾倒した頃から、チューブアンプのフルゲイン音やオーバードライブ音でなく、キンキン、ギラギラ、ドーンっと言ったディストーション音ってのに憧れるようになり、BOSSのDS-1を購入。これは当時ゲイリー本人も使っていた今では定番中の定番のディストーションだ。 また80年代ギタリストの多くが使っていたディレイやコーラス等の空間系エフェクターをこの頃から使うようになり、となると、アンプで音を歪ませるとディレイ音が汚くなると言う理由で(センド/リターンのあるアンプなら問題が無い)、アンプで歪ませる事を止めた。 この頃はもうヘヴィメタルにどっぷりと浸かっていたので、当然DS-1だけでは歪みが足りず、コンプレッサーやオーバードライブ、イコライザーで相当ブーストして、まさに爆音モードで演奏していた。 この時期はフロントピックアップなんてほとんど使わなかったから、音の潰れなんて心配する必要が無く、イコライザーはハウリングを起こす周波数を除いてほぼフルブースト。まぁ、自分でもびっくりするくらい強烈な図太い音を作っていた訳だ。 こうなるともうギターやアンプはなんだって良く、その頃自宅で使っていたアンプはトランジスタアンプであるマクソン(もうこのブランドないのか?)の100W。スタジオではヤマハの同じくトランジスタアンプをメインに使っていた。 何故トランジスタアンプに固執したのか、良く覚えていないんだが、多分当時は上記のエフェクターセッティングにマッチしていたと思っていたんだろう。まぁとにかく何度も言うが爆音、爆音中の爆音!。今聴いたら多分発狂しちゃうんじゃなかろうか。 結局、これがいけなかったんだと思う。練習中も爆音で演奏するのだからギターテクニックが向上する訳がない。ミストーンを出さないようにミュートテクニックだけは上がった気がするが、しっかりと弦を爪弾く事に関しては相当疎かにしていたと思う。 そしてある時、他ジャンル、歪みに頼らないフュージョンやジャズ系のギタリストの音楽を聴いて「おっと、オレって完璧に下手糞やん!」とふっと気付く訳だが時すでに遅し。当時作曲能力も今程なく、ヘヴィメタしか弾けない人間がどうやってプロになれるか?。 もし若い方で、これからプロを目指す、もしくは目指さないにせよ、人より上手くなりたいと切に思うのであったら、爆音での演奏は控えた方がいいと思う。少なくとも個人練習中の爆音は止めよう。百害あって一利無し。 どこかで述べたが、ライブやスタジオ練習で鳴らしている音の20%減の歪み、これくらいで個人練習する事をお勧めする。またトレブルを下げた、もしくはミドルやベースを上げた甘い音が好みなら、高音重視の硬い音(細い音)で練習されてみてはいかがだろうか?。突然自分が下手糞になったような感覚にとらわれる筈だ。ゲインを下げて硬い音、細い音でギターを弾くと誰もがそう感じる。 でもこの状態で基礎練習などを継続すれば上達は間違い無し。これは即効性があり、1ヶ月くらいで効果が出るので、是非にも採用して頂きたい練習法だ。 また自宅での夜の練習でアンプに音を通せない時、ヘッドフォンで練習するのもいいが、そういう時こそ、生音でひたすらスケール練習に励むのはいかがだろうか?。
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