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ハーモニックマイナースケール |
2004.9.01 |
※本ネタは次項のフリジアンドミナントスケールと併せて読んでいただきたい。 メジャースケール、ナチュラルマイナースケールと同じように何気なく無意識に使ってしまう時があるスケールがあるのを思い出した。それがこのハーモニックマイナースケール。ヘヴィメタネオクラ系のギタリストだったらナチュラルマイナースケールよりも使っている事が多いんじゃないか?。 オレは実を言うと普段はあまり使わない。これを多用するとネオクラ一派に魂を打ったような感覚になり、意識して多用したいとは思わないスケールである(この辺は好みだからネオクラ派の方、ご勘弁の程を)。とは言え、この手のレッスンプログラムを公開しているのだから好き嫌いは言ってられない。 ここまでお読みの方はすでにナチュラルマイナースケールは頭に記憶している筈なので、ナチュラルマイナースケールとの違いを考えれば特に難しいスケールではない。
・ハーモニックマイナースケールはマイナーキーで使われる と言う事だ。では実際に指板図で違いを見てみよう。ここではAナチュラルマイナーとAハーモニックマイナースケールを図にしてみたい。Amがキーであれば単純にソの音がソの#になっただけと解釈しよう。
Aナチュラルマイナースケール
Aハーモニックマイナースケール スケールそのものの注意点は特に無いが、ファからソ#の間が2フレットあるので1本の弦でファとソ#を表現しようとするとネックのヘッド側では多少のストレッチが必要となる。 またあくまでも一般的な話になるが、このスケールはドミナントコードに対して使うと非常に有効的である。 そこでドミナントコードが何かを簡単に説明しよう。コードにはC、D、E、F、G、A、Bと大雑把に7つあるが、トニック(ローマ字のIと表現する)はそのルートのコード、いわゆるキーコードと言われる代物。そして他にサブドミナントコード(ローマ字のIVと表現する)とドミナントコード(ローマ字のVと表現する)があり、それぞれルートの4音上、5音上のコードになる。 キーがCだとするとトニックコードはC、サブドミナントコードがF、ドミナントコードがGとなる。この3つのコードが使われるのがブルースである。I−IV−I−V−IV−Iとなるのだ。 これはマイナーキーでも同じでAmがトニックコードとすればDmがサブドミナントコード、Em(通常はメジャーコードのEが使われる)がドミナントコードになる。 では何故ドミナントコードに対してこのスケールが有効かを説明しよう。まずはこのスケールを利用して、
5弦7フレット をアルペジオっぽく弾いた後に、Eコードをジャラ〜ンと鳴らしてみよう。するとあーら不思議、アルペジオで弾いた音がEコードの構成音になっているではないか!。もう、お判りだろう。キーがAmの時、AハーモニックマイナースケールはEコードの構成音で成り立っている事になる。だからコードがEの時に効果的なのは当たり前なのだ。 本サイトでMr.Clowleyと曲をバックにスウィープの公開練習をしているが、この曲のトニックコード(キー)はDmである。とするとドミナントコードはAm(通常はA)になる。当然スウィープでもAコードの分散音で弾いているが、これはDハーモニックマイナースケールを弾いているのと同一なのであった。 試してみれば判ると思うが、コードがAmの時にEフリジアンドミナントスケール(Aハーモニックマイナースケール)を使うとどことなく中世的、そしてアラビア〜ンな夜を思い出すようなフレーズになるが、ドミナントコードのEの時にこのスケールを使うと、そもそも構成音の多くがドミナントコードの分散音なので、まさに「ハ〜モニ〜!」。 あくまでも個人的な意見だが、やたらめったらにこのスケールを使うのでなく、ドミナントコードの時にさりげなくコレを使う、その方がカッコイイと思うのだが、いかがだろうか?。 ハーモニックマイナースケールはリッチー・ブラックモア(特にRainbow)やイングウェイが頻繁に使うスケールなので彼らの楽曲を参考にして頂きたい。イングウェイに至っては1/3〜半分くらいはこのスケールを使っているので、どんなアルバムでもいいから1枚聴けばすぐにお目に掛かる事だろう。
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