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ペンタトニックスケール+コード分散音

2004.10.30

ペンタトニックスケール、ネオクラ系のギタリストからすればシーラカンス的なスケールなのかもしれないし、別にネオクラ系ギタリストじゃなくても、一般に初心者、アドリブ入門的なスケールだと思い込んでいるギタリストは結構多いと思う。

ところがどっこい、ペンタトニックスケールを知っていれば大概の曲に合わせてアドリブする事が出来るし、ペンタトニックスケール中心に作られている曲も数多く存在し、ペンタトニックスケールこそ、一番メジャーな(主要な)スケールであると言えるだろう。

坂本九の「上を向いて歩こう」、これのAメロはメジャーペンタトニックスケールが使われているし、日本の童謡や民謡の多くはペンタトニックスケールなのだ。

「あんたがった何処さっ、肥後さっ、肥後何処さっ、熊本さっ〜」、これはマイナーペンタトニックスケール、「お手々〜、繋いで〜夜道を行けば〜みんな可愛い〜」、「屋根よ〜り高いこいのぼり〜」、「もう〜幾つ寝ると〜お正月〜」らの童謡もメジャーペンタトニックスケールが使われている。

また検証はしていないが、津軽三味線で奏でられる民謡もほとんどがメジャーペンタトニックスケールであるなんて話も聞いた事がある。

それに、若い方は丸でご存知ないだろうが、アニメ、魔女っこメグちゃんの主題歌はマイナーペンタトニックスケール+1音で構成されているし、最近、佐藤なにがし主演のB級映画キューティー・ハニーが一部で話題に上ったが、これの元祖アニメ版の主題歌のAメロもマイナーペンタトニックスケールが使われている。

勿論音楽全般を考えればペンタトニックスケールだけで作られている曲は少ないと思う。しかし上述した通り、日本人にとってこのペンタトニックスケールは非常に馴染み深いスケールなのだった。最近の音楽の教科書にはこの手の童謡は掲載されていないようだが、金八先生の「贈る言葉」だってAメロはメジャーペンタトニックスケールであり、アリスの冬の稲妻はメジャーペンタトニックスケール+1音で作られている。

いずれにせよ「ペンタトニックスケール」と名前が伝わるずっと以前から日本ではこのスケールが使われていた事に是非注目して欲しい。恐らくこれは海外でも同じなのではなかろうか?。良く使われる音階だったからこそ、誰かがペンタトニックスケールと名付け、それを理論化したのだ。

と、ペンタトニックスケール重要視論を展開しているオレも、つい最近まで、ペンタトニックスケールを単に「メジャースケール(ナチュラルマイナースケール)−2音」のスケールと言う認識しかなかった。より多くの表現(フレーズ)を生み出すには当然5音よりも7音の方が有利に決まっている、そう考えていた。

ところが近頃ブルースを多く聴き、それを検証していると、純粋にペンタトニックスケールだけでギターを弾いているギタリスト(もしくは曲)が多い事に気付いた。たかが1オクターブ上で5音しか使わないのにどうしてこうも色々なフレーズがあるのか、それにカルチャーショックを受けた。

また「メジャースケール(ナチュラルマイナースケール)−2音」でなく「ペンタトニックスケール+α音」で表現がさらに増す事に気付いた。これは同じようで同じではない。ブルースの基本は3コード、それの和音構成を考えると自然と+α音が判ってくる。

AブルースならA、D、Eのコードが使われ、それぞれ相対的なミになる音を+α音にするとコードトーンに従ったブルージーでジャジーなフレーズを作り出す事が出来る。

Aブルースペンタトニックスケール(=Aマイナーペンタトニックスケール)はA、C、D、E、GだからAコードの時は分散音でミに当たるC#を、Dコードの時はF#、Eコードの時はG#を加えてやるだけでいい。これはブルーノートスケールとは異なる考えで、あくまでもコードに沿った+α音となる。


※1がAコードで使う音、2がDコードで使う音、3がEコードで使う音
それぞれが相対的なミの音である

何故それぞれのコードのミの音を加えるか、ペンタトニックスケールだけだとドとソの音しか入っておらず、これだとブルース特有のメジャー感(長調)を得られないからである。周知のとおり、メジャーとマイナーを分けるのはドやソでなく、あくまでもミの音である(ミがフラットすればそれはマイナーになる)。だからこそブルースペンタトニックスケール(=マイナーペンタトニックスケール)に含まれていないミの音を+α音にするのだ。

勿論Aメジャーペンタトニックスケールを使えば、それがA、B、C#、E、F#であるからAコードとDコードの時の相対的なミの音、C#、F#はすでに含まれているのでメジャー感は十分に出せるが、Eコードに対するミの音のG#は含まれていないので、Eコードが弾かれている時にG#の音を加えると一層メジャー感が強く出る。

ブルースで遊ぼうにAブルースのMIDIデータがあるので、是非ともペンタトニックスケールに上記の3音を加えて演奏してみて欲しい。ペンタトニックスケールだけでは得にくいブルージーなフレーズを作り出せる筈だ。

勿論、これはあくまでもペンタトニックスケール+α音であるからして、これら3音を常に使う意識は捨て、ここぞと言う時、例えばコードが変わる先頭部分のフレーズにだけに相対的なミの音を加えるだけで十分だ。頻繁に使ってしまうとスウィープのような単にコードの分散音を並べているだけで、単にメロディアスになるだけでブルージーには聴こえてくれない。



   



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