貴方はアンプ直結派?、それともエフェクター派?。
オレは本サイトで至るところで述べている通り、エフェクター派だ。エフェクターを使った方が多様な音作りが出来るし、アンプの性能やワット数に左右される事なく、好みの音を仕上げる事が出来る。
事実自宅で使っているこれ以上性能の悪い物はないだろうと言うグレコの糞未満アンプでさえも、そこそこご機嫌の音を作れている。このアンプにギターを直結なんてしようものなら、喩え50万円のギターでも1万円のギター以下の音しか出ないのだ。
ただ、常に良いアンプを使って直結して弾いてみたいと言う願望はある。つまりギターそのものが持つ個性をストレートに出すにはアンプ直結が最適だからだ。ところが言うは易し、行いは難し。喩えマーシャルの50W、100Wクラスの真空管アンプを使ってもプロのギタリストのような音にはなってくれない事の方が多い。
勘違いしては困るのが、マーシャルを使ったから綺麗に歪むと言うのは間違いであると言う事。確かにパワーのあるハムバッカー搭載のギターを使えば、トーンコントロールさえ妙なセッティングをしない限り、綺麗に歪んでくれるが、パワーのないシングルコイルのギターでは「えっ?、ゲインをフルにしているのに満足に歪んでいないぞ!」と言う現象に陥る。
ブルース系のロックを演奏するのだったら十分な歪みでも速弾きを中心とするハードロックを演奏するとなるとマーシャル+シングルコイルと言う組み合わせは難儀だ。サスティーンを得ようとトレブルを上げるとキンキンし過ぎるし、ミドルを上げても音が太くなるだけで音の伸びはほとんど変わりない。
でもリッチー・ブラックモアやジェフ・ベックは直結だろう?。確かに直結には違いないが、彼らはシングルコイルでも通常の2.5倍から3倍くらいのパワーを持つピックアップを使っているし、リッチーに至ってはアンプを改造し、さらにブースター(聞くところによるとあのテープエコー用のデッキがブースターの役割をしているらしい)でパワーアップを計っているのだ。
イングウェイのピックアップはノーマルピックアップと大差ないパワーだが、彼は歪み系のエフェクターの力を借りてあのドライブサウンドを出している。だから恐らくハードロック系のギタリストで特にストラトキャスター使いは純粋にギターとアンプを直結している人は少ないと思う。
まぁオレのようにせっかくのマーシャルアンプをクリーンセッティングにし、マーシャルアンプのオーバードライブ音を模倣するGV-2と言うエフェクターで歪みを作っている人間は珍しいと思うが、無理にアンプ直結に拘らない方がいいのではなかろうか?。
中にはアンプ直結がかっこいいと考えているオマヌーギタリストがいて、彼らの言い分は「エフェクターに頼って弾いている奴らは軟弱」となるが、カッコイイ、カッコ悪いはあくまでもその人の持つテクニックとセンス、そしてサウンドと言うソフトウェア部分であり、アンプ直結だろうが、エフェクターを10個かましていようが、関係ないのだ。
アンプ直結はカッコイイのではなく、面倒でない、スタジオに入ってすぐに演奏を始められると言う「楽さ」があるだけ、勘違いしてはいけない。勿論アンプ直結派を否定するつもりはなく、アンプ直結がカッコイイと思っているのが間違いであると言う事。
アマチュアである我々はスタジオやライブハウスによって使用するアンプは異なる。同じマーシャルでもJMC800と900では性格が全く違うらしいし、真空管アンプでもマーシャル、フェンダー、メサ・ブギ、どれも音質は違う。ローランドやヤマハと言ったトランジスタアンプしか装備していないスタジオだってある。
これらで常に同じ音で演奏するのは直結では難しく、エフェクターに頼った方が理に適っている。コンプレッサー(もしくはブースター)、オーバードライブ(もしくはディストーション)、イコライザー、音作りはこの3つは基本で、さらに多くのロックギタリストが愛用しているワウワウはワンポイントイコライザーとしても使え、本来の用途に使えば下手糞なギターソロだってカッコ良く聴こえるからあれば便利だ。
またアンプのリバーブ音では満足できない人にはディレイを使えば好みの空間処理が出来、さらにノイズゲート系のエフェクターでジージー、シャーシャーと言うノイズがカット出来るし、インスト物を演奏するのだったらオクターバーやピッチシフター、ハーモナイザー系は音に厚みを作り、ギターシンセっぽい音も作れる。フュージョンやポップスだったらコーラスも重要なエフェクターになる。
まぁ初心者に、特に中学生、高校生に向かってこれらを全部買うべき!、なんて言えないが、少なくとも歪み系のエフェクターだけは買っておくべきだと思う。基本はアンプで歪ませ、ゲインが物足りないと思った時のブースター代わりに。これならリッチー・ブラックモアの方式と大差ない。コンプレッサーもイコライザーもブースターの代わりになるので、用途に合わせて徐々に購入される事をお勧めしたい。
実際に大昔のオレはスタジオではフェンダーツインリバーブを最大に歪ませ、イコライザーにコンプレッサーもしくはオーバードライブをブースターとして使用して足りないゲインを稼ぎ、アクセントとしてワウワウを使っていた時期もあった。
ストラトキャスターのオーバードライブ音の基礎を作ったのはジミ・ヘンドリックスだと思うが、彼はマーシャルアンプ直結ではない。時代によって異なるが、ファズ(歪み系元祖エフェクター)にワウワウ、オクターバー、フェイザー等をかましているのだ。恐らくその当時デジタルディレイが存在していたらきっと彼は使っていた。上述したアンプ直結がカッコイイと思っている輩はジミヘンも馬鹿に出来るのであろうか?。
またアンプの歪みをハーフゲインに抑え、バッキングはアンプ直結、ギターソロ時にオーバードライブをオンにし深いゲインを得ても面白い。これだとアンプだけだと歪みが弱く、オーバードライブをオフにしている時、ギターのヴォリュームを2〜4くらいに絞った時、限りなくクリーンな音が出てくれ、コードカッティングやアルペジオバッキングが綺麗に聴こえる。
困ってしまうのがエフェクターは国内外を合わせるとギターの種類よりも多い事。ローランドのブランド、BOSSの歪み系エフェクターだけでも8つくらいあるのだ。エフェクターを買う時はどれが一番自分に向いているか、これを見極めねばならず、失敗するとオレのように歪み系エフェクターだけで7つも買う事態に陥ってしまう。
しかも未だに満足が得られる歪み系エフェクターには出会っていないのだから・・・。マーシャルのGV-2はかなりいい線を行っているのだが、何せストラトキャスターに使うとゲインが足りないのが減点ポイント(GV-2を2個並べようかと思案している)。
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