そもそも何故、本レッスンでコード理論を書こうと思ったか。単なるネタ不足でもあるのだが、色々な市販のコード理論書を見ていても、だいたいが5ページくらい読んだところで眠くなってしまう。それは何故だろうか?。
簡単だ。実践に基づいていないからである。ギターを持ったらとりあえずコードを鳴らしたくなる。それなのにやたらと前説が多いのだ。フォークギターを始めて持って歌謡曲を弾き語りしようと思った時、Cのオープンコード、Amのオープンコード、これらを弾く為にわざわざ、CとDの間は長2度でEとFの間は短2度です。これが理解できないとうんちゃら・・・、なんて説明されてみそ!、ギターなんて馬鹿馬鹿しくて弾きたくなくなってしまう。
マーフィーの法則ではないが本のタイトルに「簡単に判るコード理論」とか「絶対にマスター出来るコード理論」とか書かれているものは大概「簡単には判らない」、「絶対にマスター出来ない」理論書だ。
初心者が必要とするコード理論とは音楽理論は違う。初心者に必要なのはコードを押さえられるようにするだけの為のコード理論であって、長とか短、他にも増だの減だの完全5度とか、オレも未だにそんなものは半分も理解しておらず、コードだけを学ぶにはそれらははっきり言って関係ない事項だ。
※ピアニストにはこの長、短、完全って言葉は重要になる。ピアノの場合、キーがCとそれ以外のキーでは見た目がまったく違ってくるので、長、短を意識していないとコードはマスター出来ない。しかしギターの場合は、キーがEだろうがGだろうが、フレットを平行移動するだけ、相対的な音の並びさえ理解できていればいいので、コードを学ぶだけなら長、短、完全と言う言葉は不必要。
だからこそ、なんとか初心者にも判りやすい内容で還元したいと思ったのである。まぁ本タイトルも「やさしい」なんて言葉が付いているから、マーフィーの法則にならなければいいのだが・・・。
それでも一般の解説書よりは実践モードに近いと思っている。とにかくコードはドミソとドミ♭ソしかないよ!、そこから始めているからだ。そして7thとは長とか短とか書かずに7番目の音がフラットしている♭7であり、maj7thはナチュラルな7番目の音、9thはなにがし、11thはなにがし・・・。
フラットもシャープも判らない人には1、3、5、♭7が構成音だよと書いても理解できないと思うが、これくらいは知っているだろうし、小学校でドレミファソラシドは習っていて、それを単に1〜7の数字に置き換えただけ。
2音だけ使ってコードを作る、ロックのギターリフでは良くあるパターンだが、これもギタリストには5度奏法とか4度奏法とか説明する必要なんてないと思っている。そう書いてあるから判らなくなる。単に1と5を押さえよう、1と3(1と♭3を)を押さえよう、5と8(1オクターブ上の1)を押さえようで十分ではないか。ドレミと数字がしっかりとリンクしていれば1と5はドとソ、1と3はドとミと瞬時で理解出来る筈だ。
何度も言うが、コードを型だけで覚えようとすると、テンション系まで入ってくるとかなり面倒になる。しかし数字で構成音を示せば、C7とCmaj7の違いが理論的に理解出来、単に♭7を7にする、♭7を押さえていた指を半音1フレット分上げるだけでCmaj7が作れるし、また♭7や7も7番目の音と考えるからややこしいのであって、1オクターブのドから半音、または全音(半音2つ分)下げればいいだけ。
まぁ市販の理論書も自分の執筆が他の理論書よりも判りやすいと自信を持っている間抜けな著者ばかりだろうから、今回のコーヒーブレイク、単なる自己弁護ネタかもしれない。でもそこはナルシスト、これを図、表、譜面をもう少し増やして本にしたら初心者に馬鹿受けするだろうとしょーもない妄想を抱いている。
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