|
|
|||
|
スケールを考えよう |
2005.5.3 |
のっけからAメジャーペンタトニックスケールのフレーズだが、これを聴いて「懐かしい!」と思った方はすでにオッサン年齢に達している。今では太田と言うと爆笑問題の太田だが、1970年代、大田と言えば太田裕美であった・・・。その彼女の大ヒット曲、木綿のハンカチーフのAメロ部分。 昔からの童謡、70年代の歌謡曲、フォークソングで、メジャーペンタトニックスケールが使われているメロディを探す事は容易で、日本人には馴染み深いスケールだと思う。ある意味古臭いスケールとも言えるが、覚えて損はないスケールであろう。 オレ自身昨年までほとんど使わなかったスケールだが、最近はこの古臭さがたまらず、またジミー・ペイジがこのスケールを多く使っている事を知ってからは、メジャーキーの曲、ブルースでは頻繁に使うようになった。 古臭い・・・、若い方の中でも緑茶や昆布茶なんか好きな方ならこの「古臭い」と言う表現だけで使ってみようかと思うだろうが、そうでない一般な若い人はやはり「古臭い」と言う言葉はチャームポイントとは感じないかもしれない。 しかし、古臭いメジャーペンタトニックスケールでもこんなような泣きのフレーズも作れちゃうのだった。久々にmidiでなくギターで演奏してみた。曲はデレク&ザ・ドミノス(エリック・クラプトン)のLaylaに次ぐ名曲中の名曲、Bell Bottom Bluesだ。
9秒から23秒まではCメジャーペンタトニックの第1ポジションを使い、31秒までを第4ポジションで弾いている。そして31秒から34秒までの3秒間、ここは第4ポジションでも弾けるが、あえてポジションを1つ落として第3ポジションを使っている。 それは35秒からはAメジャーペンタトニックスケールでは第4ポジションを使って弾こうと最初から思っていたからである。この部分理解不能の方は、Cメジャーペンタトニックスケールの第3ポジションとAメジャーペンタトニックスケールの第4ポジションの位置関係を研究して欲しい。 そして46秒までをAメジャーペンタトニックスケールで弾き、47秒から一気にスライドでオクターブ上の第1ポジションに移行し、54秒からはオクターブ上の第2ポジションを使っている。その後、だらだらと実は適当に1、2弦だけを使って第4ポジションまで下降し(それでもスケールアウト音はない)、最後は第4ポジションでひたすらAコードのスウィープを弾いてフェイドアウトしている。
読者から第1ポジションだの第4ポジションだの、演奏中に次はこのポジションを使おうと考えるものなのか?、そういう質問を受けた事がある。これは非常に難しい問題だ。今回のフレーズは完全なアドリブでなく、予めある程度ここでこんな音を使おうと考えたフレーズなので、上述したポジション移動はそれの為の移動であり、この音源だけで言えば回答はYESとなる。 しかし、完全にアドリブで演奏する時はポジショニングはほとんど考えていない。単に指板上を行ったり来たり、上昇、下降するだけで、ポジションと言う概念はオレにはほとんどない。ある意味指板上の点しか見ていない事になる。 あくまでも推測でしかないが、慣れてくれば来る程、ポジションを1つのブロックと考える事はなくなるんじゃなかろうか?。また人それぞれ指に馴染むポジションと言うのがある。これが指癖と言われるものだが「僕は第1ポジションと第4ポジションを良く使う」と言う人や、中には「第3ポジションと第5ポジションなんて絶対に使わない」なんて人もいる。 オレ自身は第3ポジションも第5ポジションを平気で普通に使っているが、マイナーペンタトニックスケール、メジャーペンタトニックスケールの2つだけに言及すると、第3、第5ポジションを多用する人は多くはないと思う。 だからどのポジションを取ればいいか?、これには回答はあってないようなもの。各自が弾き易いポジションで勝手に弾きましょう〜、弾き易いポジション=無意識でも弾ける=指が勝手に動いてくれる=演奏中にポジションの事はあまり考えていない、となるのだ。 勿論初心者に「ポジションをあまり考えるな、音は点として覚えろ」なんて言える訳もなく、しつこいようだが、初めのうちは飽きようが、眠くなろうが、第1ポジション+αを完全に自分のものにし、それからその他のポジションを色々と試していこう。当然第3、第5ポジションがあまり使われないからと言って、練習しないなんてのは言語道断。そういう適当な人は、どんな優れた教本を買っても、どんな優れた人物に教えを乞うても絶対にうまくならない。 人が第3、第5ポジションを使わないのだったら、「よぉし、だったら第3、第5ポジションを上手に利用して独特のフレーズを作り出してやろう!」、そう思考する人物こそ、将来きっと大成するに違いない。
参考までに今回の音源で使った音を指板上に示してみよう(チョーキング音は除く)。
前半のCメジャーペンタトニックスケールで今回使った音(●部分)
後半のAメジャーペンタトニックスケールで今回使った音(●部分) 前半のCメジャーペンタトニックスケールはあくまでも音中心の構成。だからポジション単位と言う弾き方では丸でない。そして後半のAメジャーともなるとまず第1にAコードのスウィープを使う事から第4ポジションをブロックとして使っていて、さらにシャッフルリズム風な下降フレーズを弾くのに楽だったのでオクターブ上の第1ポジションを完全にブロックを意識して使っている。
|
|
|